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NYの独立系映画館パリス・シアター 71年の歴史に幕

マンハッタンで唯一のワンスクリーン映画館「パリス・シアター」(The Paris Theater)が、先月29日に閉館した。
劇場のガラス扉やチケット売り場のブースには、閉館を告知する張り紙が掲示されている。

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photo:mashupNY

「残念ながら、リース契約は終了し、パリス・シアターは閉館しました。長い間劇場に足を運んで下さったお客様に、心より御礼申し上げます。ご愛顧に感謝申し上げるとともに、サービスを継続ができなくなり、大変残念に思っています。」

Deadlineは6月下旬、パリス・シアターが「何かドラマチックな展開が起こらなけれな、劇場は閉館するだろう。」と報じていた。
ロン・ハワード(Ron Howard)監督のドキュメンタリー映画「パヴァロッティ」(Pavarotti)が最後の作品となった。

創業71年目の老舗映画館

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パリス・シアターは1948年9月に開館し、フランスのアンバサダーとして女優マレーネ・ディートリヒ(Marlene Dietrich)がテープカットを行った。その後もフランス映画などの外国語映画やアート系作品を上映してきた。オーナー企業の変更に伴い1990年代に一度閉館したが、その後再オープンしている。

ワンスクリーンの劇場型映画館で、586の座席を有する。数ブロック先にあった1969年開館の「ジーグフェルド・シアター」(Ziegfeld Theater)も同じくワンスクリーンで、1,300席数の劇場だったが、2016年に閉館した。

オーナーは不動産デベロッパーの富豪、シェルドン・ソロー(Sheldon Solow)氏。ソロー氏は、アッパーウエストサイドのビークマン劇場(Beekman Theater)も所有していたが、こちらも最近閉館した

サタデー・ナイト・ライブの音楽プロデューサー、ハル・ウィルナー(Hal Willner)氏は、ニューヨーク・タイムズに対し、「(パリスシアターは)私たちが決してなくならないだろうと思っていた、癒しの場所の一つだった。しかし、もちろんそうではない。ニューヨークはいつだってそうだった。ゴーストは常に至る場所にいる。」と述べ「もっと行っておけば良かった。」閉館を惜しんだ。

2016年に開館したロウアーマンハッタンの「メトログラフ・シアター」(Metrograph theater)のアーティスティック・プログラミング・ディレクター、ジェイク・パーリン(Jake Perlin)氏は、「みんな、アベンジャーズ・エンドゲームを観たのは覚えているが、どこで観たかは覚えていない。しかし、マルセル・カルネの『天井桟敷の人々』をパリスシアターで見たことは覚えている。」と述べ、「特定の映画を見た場所として、常に関連付ける場所であり、大きなインスピレーションを与えてくれる劇場だった。」とタイムズに語った。

パリス・シアターの閉館は配給会社にとっても、深刻な問題をもたらす。同映画館で多くのアート系作品を上映してきたソニー・ピクチャーズ・クラッシックス(Sony Pictures Classics)のトム・バーナード(Tom Bernard)氏は、「映画がヒットし、アカデミー賞シーズンまでロングラン上映された場合、パリス・シアターが稼ぎ出す興行収入は、全体の3分の1を占める可能性を持っている。」とDeadlineに語っている。 さらに、長期間上映できる劇場が減っているため、『グリーンブック』のように、口コミで徐々に広がっていく作品を生み出すのは、今後難しくなるだろうと述べた。

ストリーミングビデオの台頭や賃料の高騰などで、ミニシアター系劇場の経営は困難な状況となっている。ニューヨークでは、パリス・シアターのほか、イースト・ヴィレッジのランドマーク・サンシャイン・シネマ(Landmark’s Sunshine Cinemas)やリンカーン・プラザ・シネマ(Lincoln Plaza Cinemas)などの劇場が次々と姿を消している。

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