テスラが社運をかけるヒューマノイドロボット「オプティマス」。でも、どうやらまだネット民をアッと言わせるレベルには達していないようだ。
SalesforceのCEO、マーク・ベニオフが「生産性のゲームチェンジャー」というコメントつきでオプティマスを撮影した動画をSNSに投稿したところ、寄せられたのは称賛よりも辛口コメントが目立った。
動画では、ベニオフがオプティマスに「コーラってどこで手に入る?」と質問。オプティマスは「すみません、リアルタイムの情報は持っていません。でもご希望ならキッチンまで案内しますよ」と丁寧に回答する。ベニオフが「じゃあ行こう!」と促すが、なかなかその場から動かない。しばらくしてやっとシャカシャカ歩き始めたものの、カメラ外の人物が「もっとスペースを取らないとダメだな。今はちょっと神経質なんだ。それに、もっと早く歩けるようになる予定だ」とフォローする場面も。
このやり取りに対し、ネットでは「今まで見た中で最悪のヒューマノイドロボットのデモだ」と酷評する声や、「最近のイーロン関連の製品、どれもイマイチ」、「この動画を公開させたのが驚き」、「キッチンまで本当にたどり着けたのか?」などネガティブコメントが続出。
一方で、「5年前のロボットのデモ動画を見てからこれを見直してみろよ」、「質問して→理解して→答えて→実際に移動できるロボットなんて他にないだろ」と冷静に評価するユーザーもいて、「演出なしのリアルな動画を公開したのは逆に好感が持てる」というポジティブな意見もちらほらあった。
ベニオフはAI導入にかなり積極的な立場で、以前のインタビューで「社内業務の30〜50%をすでにAIに任せている」と語っている。数日前に出演したポッドキャスト番組では、カスタマーサポートの人員を1年間で9,000人から5,000人にまで減らせたと公言していた。
なお、「Fortune」によれば、イーロンはオプティマスについて「最終的に会社の価値の80%を創出する」と掲げ、2025年には数千台を生産し、10兆ドル規模の収益事業に育てる構想を示している。しかし現状は、中国のレアアース規制や供給難に直撃され、試作機はまだ数百台規模。開発責任者の退任もあり、仕切り直しを迫られている。
ネット民の冷笑を吹き飛ばす日はいつになるのかーー壮大なビジョンと実際の進捗との間には、依然として大きなギャップが横たわっている。