NY州 宗教による予防接種免除を廃止

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ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事は13日、学校における予防接種要件について、宗教を理由とする免除規定を廃止する法案に署名した。

クオモ知事は声明で「ワクチンは安全で、効果的であり、我々の子供の安全を保つ最良の方法であることは明らかだ。はしかを封じるために積極的な対応を行ってきたが、これほどのスケールにおいては、公衆衛生危機を阻止するためにさらなる対応が必要だ。」と語った。

米疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention)の報告によると、今年1月以降、はしかの症例は28州で1,022件となり、過去25年間で最悪の数字を記録している。ニューヨーク市では昨年9月以降の症例は588件に上る。

感染は、超正統派ユダヤ教コミュニティーで拡大するケースが多くみられ、これらの人々は宗教を理由に子供へのワクチン接種を拒否している。また、反ワクチンを唱える団体によってコミュニティ内に誤った情報が出回るケースもあり、これらが問題を一層深刻化させている。

ニューヨーク市では4月、感染拡大阻止に向けて公衆衛生上の非常事態を宣言し、特定地区の住民に対し、48時間以内のワクチン接種を命じたほか、一部地域のプリスクールを一時的に閉鎖するなどの措置に踏み切った。これに対し、ウィリアムズバーグ在住の5人の母親がワクチン接種の命令を不当とし、一時差し止め及び無効を求めるなど、行政と住民が衝突していた。

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クオモ知事は「信仰の自由を理解し、尊重しているが、我々の最も重要な職務は公衆衛生を守ることだ」と述べた。

AP通信によると、子供へのワクチン接種を拒む親達など数百名の集団が13日、抗議のために州議会議事堂に集まった。反対派は、法案が信仰の自由への暴力であると主張している。

ニューヨーク州に先立ち、メイン州でも宗教の免除を廃止する法案が成立している。しかし現在でも、45州で同様の免除が認められているという。