NY市警察の「ストップ・アンド・フリスク」が増加。法律擁護団体が警鐘

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ニューヨーク市警察による「ストップ・アンド・フリスク」が、前年に比べ22%増加し、2018年の11,008件から、2019年は13,459件となった。

ストップ・アンド・フリスク(Stop-and-frisk)とは、警察官が路上で疑わしいと判断した人物を呼び止め、身体検査を行い、武器などを所持していないか調査する行為。

擁護団体の法律扶助協会は、(違憲判決が下された)2013年以来初めて増加したとして、警鐘を鳴らしている。
同団体は、「ダーモット・シエイ(Dermot Shea)警察委員長は、長年”割れ窓理論”の擁護者であり驚くべきことではない。この数字が示しているのは、何年も前に、効果がなく、不公平かつ違憲の慣習を終わらせるため、立ち上がったニューヨーカーとの約束を破った。」と非難している。

一方、NYPDの広報は「われわれは、これまでに内部監査やコンプライアンス基準を強化し、呼び止めと適切な報告に対応する訓練を開発してきた。」と主張。さらに「複雑な法律分野に対し、ありがちな誤解を修正し、より理解を深め、より適切な報告を行っている結果だ。」と述べた。

ニューヨークポストによると、昨年呼び止め検査を受けた人の88%が、黒人およびヒスパニック系だった。65%は出頭命令や逮捕には至っていないが、その他は強盗や武器の所持、暴行などの容疑で拘束された。

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ストップ・アンド・フリスクは、マイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)前市長時代に積極的に行われ、2011年のピーク時には685,000件に達した。
有色人種がターゲットとなるケースが多く、「フロイド対ニューヨーク市」(Floyd v. City of New York)として集団訴訟へと発展した。連邦地裁判事は2013年、ストップ・アンド・フリスクは、間接的に人種的プロファイリングを引き起こしたとして、違憲判決を下した
現在のビル・デブラシオ市長の元では方針が改められ、2018年の件数は11,008件へと大幅に減少していた。

ブルームバーグ氏は昨年11月、2020年大統領選への出馬する前、取締りは誤りであったと述べ、謝罪の意を表明している