ブルームバーグ氏 市長時代の取り締まり方針を謝罪

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2020年大統領選への出馬を検討しているマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長は、17日にブルックリンの教会で行なったスピーチで、市長時代の「ストップ・アンド・フリスク(Stop and Frisk)」政策に関し、誤りであったと述べ、謝罪の意を表明した。

「ストップ・アンド・フリスク」は、警察が、疑わしいと判断した人物を一時的に拘束、質問し、ボディ・チェックをして武器などを所持していないか調査する行為。2000年代にブルームバーグ市長(2002年〜2013年)の支持を背景に、積極的に行われた。2002年の実施件数は約10万件だったが、ニューヨークタイムズによると、2011年のピーク時には68万5,000件実施されるなど、大幅に増加した。マイノリティが対象になるケースが多く、レイシャル・プロファイリングだと非難されている。2011年の対象者のうち、87%が黒人またはラティーノで、全体の90%近くが無実だった。なお、後任のビル・デブラシオ市長の下では方針が改められ、2017年の件数は1万1,629と大幅に減少している。

ブルームバーグ氏は「重大な過ちを犯した。当時、ストップが黒人とラティーノのコミュニティにもたらす影響のすべてを理解していなかった。命を救うことだけにフォーカスしていた。しかし、ご存知のとおり、目的が良いからといって、それは十分ではない。」と語った。続けて、ストップを減らした後も、犯罪率が低下しつづけたことについて触れ、「今となってみて、ストップを減らすために、すばやく行動できたと考えている。」と述べた。

ニューヨークタイムズは、「取り締まり政策によって最も影響を受けたコミュニティ」に対する前知事のスピーチを「自信を失うような人物とはみられていない、77歳の億万長者による、異例の譲歩」と報じた。

ブルームバーグ氏は「歴史は変えられない。しかし今日、当時を振り返り、私が過ちを悟っていることをご理解いただきたい。申し訳なかった」と謝罪した。

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