「露出度の高い服を」ロバート・デ・ニーロ経営の日本料理店、従業員がセクハラで提訴

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ロバート・デ・ニーロらが経営するセレブ御用達の寿司レストラン「ノブ」(Nobu)の従業員が、店のマネージャーからセクハラを受けたとして、ロサンゼルス郡の裁判所に提訴した。

ノブは1994年、デ・ニーロと料理人の松久信幸氏、映画プロデューサーのマイア・テペル氏がパートナーシップを組み創業した。現在は全世界で、55店舗以上の飲食店と36のホテル事業を展開している。

Nobu創設者の松久信幸氏とロバート・デ・ニーロ氏©DenisShumov / Shutterstock

訴えを起こしたのは、23歳の女性。カリフォルニア州のマリブ店で、性的暴行やハラスメント、監督不行届、性別に基づく差別などの州法に違反したとして、損害賠償50万ドル(7,400万円)以上の支払いを求めている。

ニューヨークポスト紙によると、マリブ店にはビヨンセやカーダシアン家などのセレブや、バイデン大統領の長男ハンター・バイデン氏などが訪れるという。オープンエアのダイニングテーブルからは、ビーチが一望できる。

訴状によると、同店は女性従業員に「露出度の高い洋服を着て、マネージャーや顧客から望まない性的な誘いを受けた際は、拒絶するよう」求めていた。

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俳優を志していた従業員は、レオナルド・ディカプリオやブラッドリー・クーパー、セレーナ・ゴメスなどの大スターにいつでも会えるといった評判に惹かれ、ノブで働き始めた。

しかし、マネージャーから、勤務中に繰り返しお尻に触られたり、酔った勢いで首元にキスをされたりするなどのセクハラ行為を受けた。マネージャーは、別の女性従業員の電話番号を入手し、デートや性的行為を要求していた疑いももたれている。

従業員からの苦情を受け、昨年、マネージャーは解雇された。しかし現在も客として店を出入りしており、女性従業員にセクハラを続けているという。

女性の代理人バーナード・アレキサンダー弁護士は声明で、マネージャーが女性蔑視かつ搾取的な態度を取る飲食店の顧客リストに、セクハラに異議を唱えるハリウッドスターが名を連ねているのは、「苛立たしい皮肉」と指摘。原告や同僚は、経営陣が同店の「輝かしい名声を保ち、雇用を維持するため」、性的な誘いや虐待があっても耐えることを求められていると加えた。