ニッキー・ヘイリー米国連大使が辞任へ – 前日に市民団体が倫理規程抵触の調査を要求

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トランプ大統領は9日、ニッキー・ヘイリー国連大使が年内に辞任することを発表した。会見でトランプ大統領は、約6ヶ月前に本人から休養をとりたいと告げられたと語った。また、ヘイリー氏を「特別な存在」と評し、「我々は彼女を失いたくない」と述べたほか、政権スタッフに復帰することを望んでおり、「あなたが(ポジションを)選択して良い」と述べた。

ヘイリー氏は、「2020年について聞こうとしている皆さんに言っておきますが、私は2020年に出馬はしませんよ」と大統領選への出馬の憶測を否定。「次の大統領選で、大統領を支援するのを楽しみにしています。」と語った。また、「政府高官が退任時期を理解することはとても重要だと思います。この与えられた8年で、私の全てを出し尽くしました。同じエネルギーとパワーを注ぐことのできる人に代わることが時に良いことであると思う。」と述べ、具体的な辞任理由について明言を避けた。

ヘイリー大使の突然の辞意表明の前日、市民団体「Citizens for Responsibility and Ethics in Washington(CREW)」はヘイリー氏が政府の倫理規定に違反した可能性を巡り、国務省に調査を要求したことが報じられていた。

CREWは、2017年にヘイリー氏が、3人の男性から無料でプライベートジェットの利用を提供されていたことを指摘。ニューヨーク、ワシントンD.C、ヘイリー氏が2017年1月まで州知事を務めたサウスカロライナ州にある3都市の間の7回のフライトについて、政府職員が立場を利用して贈与を要求または受領することを禁じる倫理規程に違反する可能性があるとしている。

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フライトの総額は明らかではないが、CREWは数万ドルにのぼると発表。フライトを提供した3名の男性は様々な企業の役員で、かつて、サウスカロライナ州知事選で、ヘイリー氏に寄付を行なっているという。
ヘイリー氏は2017年の財務開示で、これら男性は個人的な友人にあたるとしているが、CREWは「この場合、ヘイリー大使とこれら個人との関係は、著しく政治的かつ職業的要素を含むとみられる」と、疑惑の根拠をのべている。また、「レポートにおいて、ヘイリーは自身が搭乗した飛行機が男性の企業の所有物またはリースにあたるのか、また、企業が全額を寄付したのかについて明らかにしていない」と開示情報が不十分であることを指摘。さらに同団体は、ヘイリー氏の国連の仕事は、寄付者のビジネスの利害に直接関係するものではないとしつつ、トランプ大統領と緊密なつながりがあることから、「政権の方針に影響を受ける人々にとって、彼女との接触は価値が高いものとなっている」と指摘している。