米ニュース司会「アメリカの内戦すでに始まってる」

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最近の世論調査で、回答者の5人に2人が今後10年間で内戦が勃発すると答えるなど、政治的分断をめぐる国民の懸念が強まるなか、あるニュース司会者は、米国はすでに内戦に突入しているとの考えを示した。

MSNBCのティファニー・クロス氏は3日、自身の番組の「民主主義の危機」と題したセグメントの冒頭、「ここのところ、われわれは内戦の瀬戸際にあるだけではなく、すでに始まっているように思う」と話した。

クロス氏は、この根拠に有力なトランプ支持者による発言を紹介。トランプ氏と親密なことで知られるリンジー・グラハム上院議員(サウスカロライナ 共和党)が先週日曜日のFOXニュースの番組で、司法省が、機密情報の不正な扱いをめぐってトランプ氏をめぐって訴追するならば「暴動が起きるだろう」と警告したクリップのほか、トランプ政権で高官を務めたスティーブ・バノン氏が、自身のポッドキャスト番組内で、FBIが「ゲシュタポ」になったと非難し、MAGA運動は「国家(State)」の脅威だと主張する様子を放送した。

バノン氏はこの中で、ニュース解説メディアVOXが、MAGAがアメリカ国家(State)の直接的な脅威と指摘していると説明。「彼らは”Country”でもなく、”Nation”とも言っていない。アメリカ国民ともしていない」とした上で、「Stateだ。これは正しい。見落としがちな部分について声を大にしている。われわれはアメリカ国家にとっての脅威だ」と話した。

ちなみにブリタニカには、Nationが言語や歴史、文化が共通する人々の集団であるのに対して、Stateは「法や領土、主権を持つ政治機関によって特徴付けられる人々の集合」とある。バノン氏は、MAGA運動が単にトランプ氏の再選を目指すものでなく、政治体制に挑戦するものだと強調したかったのだろう。

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ちなみに先述のグラハム議員の発言について、バイデン大統領は30日に行った演説で「テレビをつけて、上級の上院議員や下院議員が、あんなことやこんなことが起きると言っていたら、街で流血の事態になる。どうなってるんだ」と発言に気をつけるよう警告した。

一連のクリップを流した上で、クロス氏は「この通り、トランプ支持者は暴力的な言葉を話している。彼らはFBI、司法省、国家そのものを脅している」と指摘。「今や脅威を超えて、レトリックは実際の暴力へとつながっており、さらに多くのことが起きる可能性がある」と主張した。

先月、トランプ氏邸の家宅捜索が行われた数日後、オハイオ州シンシナティで、武装した男がFBIに侵入しようとし、警官から射殺される事件があった。Truth Socialの犯人のものとみられるアカウントから投稿されたものには、武装を呼びかける内容や「戦闘に備えよ」といったメッセージがあった。

番組にゲストで参加した内戦の研究家で「HOW CIVIL WARS START」の著者、バーバラ・ウォルター氏は、ミッチ・マコーネル上院院内総務やケビン・マッカーシー下院院内総務といった共和党指導者が、短期的な選挙目標を達成するため、後先考えずに暴力的な言葉を使用していると警告。支持者らは、暴力が正当化されたと考え、暴力が常態化する危険があるとした上で、同様の状況が、元ユーゴスラビア大統領で戦争犯罪に問われ、獄死したミロシェヴィッチ氏の内戦前のレトリックにもみられるとした。