娘になりすましてキャンパスライフを謳歌!?48歳母親、有罪認める

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20代の娘になりすまして2年間大学に通い続けたミズーリ州の女性が、裁判で有罪を認めた。周囲の人は誰一人、女性の素性に疑いを持たなかったという。ニューヨーク・タイムズが伝えた。

有罪となったのはミズーリ州在住のローラ・オグルズビー被告(48)。ミズーリ州西部地区の連邦検事局が、社会保障事務局に虚偽の情報を提供した罪で起訴していた。

オグルズビー被告は2016年、疎遠となった20代の自身の娘、ローレン・アシュリー・ヘイズさんの名義でソーシャルセキュリティーカード(社会保障番号カード)を申請。その後、これを使用して運転免許証も取得した。2017年には、カードを使ってサウスウエスト・バプティスト大学に入学を申請し、奨学金まで受け取った。

ボーイフレンドもいたが、母親ほどの年齢であることに気がつかなかったという。

事件を捜査したミズーリ州マウンテンビュー警察のジェイミー・パーキンス署長は、「皆、彼女を信じていた。恋人の男性ですら、被告は22歳だと信じて疑わなかった」と語った。

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しかし、偽りの人生は長く続かなかった。

2018年8月、隣接するアーカンソー州の捜査当局から、オグルズビー被告を探しているとして、マウンテンビューの警察に連絡があった。容疑は、オグルズビー被告が同州で、ヘイズさんになりすまして詐欺を働き、2万5,000ドルを不正に得たというものだった。

身元を偽って暮らしている可能性を告げられたマウンテンビュー警察は、捜査を開始すると、被告が市の図書館で働いていたことが分かった。「妙なことだが、被告は図書館の職員として雇用されていた。それで、我々が被告の身元を突き止めることができた」と、前出のパーキンス署長は話した。

警察に職務質問を受けたオグルズビー被告は最初、本人であることを認めなかったが、証拠を突きつけられると、白状したという。

ミズーリ州西部地区連邦検事局の発表によると、オグルズビー被告が不正に受け取った金は「連邦政府の学生ローン9400ドル、奨学金ペル・グラント5920ドル、大学の書店で購入した書籍337ドル、その他1863ドル」だという。

オグルズビー被告は司法取引に応じ、通学していたサウスウエスト・バプティスト大学と娘のヘイズさんに合計1万7521ドルを支払うことで同意した。

量刑言い渡しの日取りは決まっていないが、最高で仮釈放なしの禁錮5年が科される可能性がある。

ノースウエスタン大学で犯罪学を研究するニコス・パサス教授はタイムズに、ソーシャルセキュリティーの不正使用や個人情報の窃盗は「とてもよくある問題」だと説明している。

今年4月1日から9月30日までに起きたソーシャルセキュリティー不正利用は27万件で、そのうち16万7000件超がなりすまし事件に分類されるものだった。この中には、親が子供の名前を偽り、子供に無断で学生ローンの借り入れを行うケースもあるという。