服から出てきた現金「緊急事態の備え」収賄疑惑の民主党有力議員が反論会見

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収賄の罪で起訴されたボブ・メネンデス上院議員(ニュージャージー州 民主党)は25日に会見を開き、疑惑を否定するとともに、議員にとどまる意向を表明した。

ニューヨーク南部地区連邦検察は先週、メネンデス議員と妻ナディーン氏は、上院外交委員会の委員長としての立場を利用し、エジプト出身の実業家とその知人やエジプト政府に便宜をはかる見返りに、現金や金の延棒、高級車、家具など「数十万ドルの賄賂」を受け取ったとして告発した。

メネンデス氏は自宅の服のポケットやクローゼットから押収された48万ドル(約7,000万円)を超える現金について、「30年間、個人の預金口座から数千ドルの現金を引き出し、緊急事態に備えて保管している」と述べ、「私の家族がキューバで没収される危険に直面したからだ」と説明。「時代遅れに聞こえるだろうが、過去30年にわたって合法的に得た収入に基づいて個人口座から引き出されたお金だ」と語った。

メネンデス氏は1954年にキューバ移民の親の間に生まれ、ニュージャージー州のユニオンシティで育った。

なお検察は、自宅から見つかった現金封筒の一部から、今回メネンデス夫妻とともに起訴された人物、またはその運転手の指紋やDNAが採取されたとしている。

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会見では、金の延棒や高級車に関する説明はなかった。

起訴状より

エジプト政府に対する兵器売却や軍事資金支援をめぐって、影響力と引き換えに賄賂を受け取ったとされる疑惑について、議員としてのエジプトに対する取り組みを強調。「米国市民の不当な拘束や人権侵害、ロシアとの深い関係、司法の独立を侵害する取り組み、数多くの問題についてエジプトに責任を取らせるという点で明確で一貫している」と反論した。

「過去最大の戦いになると認識している」と述べ、「すべての事実が提示される時、疑惑が晴らされるだけでなく、ニュージャージー州の上級上院議員であり続けることを硬く信じている」と話した。

メネンデス議員は2015年にも収賄で起訴(後に不起訴)されている。現職の上院議員が異なる事件で2度起訴されるのは、史上初めてだという。