メラニア夫人、ホワイトハウス滞在わずか2週間 静かに進む“異変”

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©MashupReporter

「ファーストレディ不在」のホワイトハウスに、静かな異変が広がっている。

新政権発足から100日以上が経過したが、ニューヨークタイムズによると、メラニア夫人がホワイトハウスで過ごした時間はわずか2週間にも満たないという。

何をしているのかも判然としない。フロリダの自宅、マール・ア・ラーゴやマンハッタンのトランプタワーに数週間単位でこもり、一目につかない生活を送っている。8日に故バーバラ・ブッシュ元大統領夫人の記念切手の発行に伴う式典に出席したが、それ以外には2月に全米の知事を招いて開催された晩餐会や4月の復活祭のイベントなど、ホワイトハウスにいる姿が報じられたのは数えるほどしかない。

アマゾンとの多額の契約金が噂される人生の「舞台裏」に迫るドキュメンタリー映画は、夫人の周囲で撮影クルーが目撃され、製作が進行している様子が窺えるが、その内容は謎に包まれている。

ファーストレディの役割は憲法や法で定められておらず、政府から報酬が支給されるわけでもない。本人は昨年出版された回顧録「Melania」で、その役割を「最もハードなボランティア」だが、「世界にポジティブなインパクトを生み出すことができる機会」とやりがいを語っている。著書では、特にレジデンスやゲストスイート、テニスパビリオン、ローズガーデンのリノベーションといったホワイトハウスの改装事業を主導したことを振り返り、「党派を超えて国民に永続的で美しいものを提供するという私の役割」であり、「ホワイトハウスの歴史と美しさを未来の世代のために保存するという私の献身の証」だと強調している。

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滞在日数の少なさが、1期目の姿勢からの離脱を物語るものであるかは明らかでない。当時ホワイトハウスに引っ越したのは、政権発足から3ヶ月後の6月中旬だった(息子バロン君の学業の関係を考慮したとも報じられているが、回顧録では、オバマチームが事前のアクセスをなかなか認めず、準備が遅れたと暗に非難している)。ニューヨークタイムズは、関係者の話として、トランプ氏が有罪判決を受けることになったポルノ女優への口止め料をめぐる裁判が夫婦仲に影響した可能性、夫を襲った殺人未遂事件をきっかけに増した安全上の懸念が影響している可能性にも言及している。

ファーストレディの職務の空白は、トランプ氏自らが埋めている。タイムズによれば、「ホワイトハウスのレジデンスの照明器具を選んだり、ローズガーデンを再設計したり、ツアー客を出迎えたり、女性史月間のレセプションを主催したり」、と「通常ファーストレディが担う役割」を、トランプ氏自らがこなしている。

ホテル事業でカーテンからロビーの床まで、細部にわたってこだわるマイクロマネージャーぶりを発揮したとされるトランプ氏にとっては、好都合なのかもしれない。一部報道によると、金の装飾を好むトランプ氏はホワイトハウスをマール・ア・ラーゴに見立てた改装をする計画をしている。すでに執務室の隅々には金色の装飾品や小物が並んでいる。先日放送されたNBCニュースのインタビューでは、ホワイトハウスに世界クラスのボールルームを建てたいと宣言した。さらに、メラニア夫人が改装したローズガーデンを、自身のゴルフクラブのパティオに似せた舗装を施すことを提案したと報じられている。

「ホワイトハウスの歴史と美しさ」の保存を誓った夫人。こうした光景は果たして、誇らしいものなのだろうか。