マンハッタンのタクシーやUberの運賃値上げ、NY州新年度予算でサーチャージを承認

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yellow cab
©mashupNY

30日に通過したニューヨークの2019年度州予算で、州議会は、マンハッタンを走行するタクシーおよびUberやLyftの配車サービスに対し、新たにサーチャージを課すことを承認した。
サーチャージは、マンハッタンの96thストリート以南のエリアを乗客を乗せて走行する際に発生し、金額はタクシーで2.50ドル、UberやLyftを含む配車サービスで2.75ドル、ViaやuberPOOLといったライドシェアサービスでは0.75ドルとなる。実行は2019年1月を予定している。

クオモ州知事が地元TV局のNY1のインタビューに回答した内容によると、サーチャージによって州は毎年約4億ドルの新たな収入を見込み、これらは急務となるニューヨーク地下鉄をはじめとしたMTAの改修や運営資金に充てられる。

MTAの資金源とマンハッタンの渋滞解消を目的として、1月に知事の働きかけによる特別委員会「Fix NYC」がすべての自動車を対象とする混雑課金プランを発表していたが、今回の予算では実現にいたらなかった。クオモ知事は、サーチャージを「混雑プラン課金の段階的な導入」と語っている。

新たな決定に対し、ニューヨークタクシー労働者連盟は、「サーチャージはこれまでに類をみない過酷な経済環境に直面しているドライバー達に、より深刻な貧困をもたらす。」とサーチャージがドライバーの経済環境をさらに悪化させると非難。同連盟によると、過去4ヶ月で4人の自殺者が出ている。また、タクシーにはすでに50セントのサーチャージが課されており、2015年単体では、このサーチャージを通じてMTAに9,400万ドルの資金貢献をしていると発表。UberやLyftでは、乗客から徴収するセールスタックスのうち1%の3/8にあたる金額がMTAの資金に向けられていることに触れ、制度の公平性に疑問を呈した。

一方、UberとLyftはNY1の取材に対し、「州知事の計画は正しい方向を向いている」とサーチャージを支持しながらも、「個人も含め、すべての自動車が対象となるべき」と混雑課金プランが前進することに期待を示した。

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