米レストラン ロブスターにマリファナ使用。苦痛を与えない(?)調理方法が話題

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メイン州サウスウエストハーバーのロブスターレストラン「Legendary Lobster Pound」では、ロブスターにマリファナ(大麻)の煙を吹き込み、苦痛を感じにくい状態にした上で、熱湯で調理する方法を考案し、大きな話題となっている。

同州でマリファナ栽培の免許を持つレストランオーナーのシャーロット・ジル(Charlotte Gill)さんは、ロブスターの苦痛を最小限にとどめるため、マリファナを使用することを思いついた。

ジルさんが行った実験では、ロブスターを数インチの水に浸した小さな箱に、マリファナの煙を吹き込み3分ほど放置すると、ロブスターは穏やかな状態になるという。

マリファナの有効成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)には、向精神作用がある。しかし、マリファナを吹きかけたロブスターを食べた人が、気分が高揚することはないという。ジルさんは、「THCは、392℉の熱で完全に破壊されるため、レストランでは420℉の蒸気と熱でロブスターを調理する。」と、地元紙Mount Desert Islanderに語っている。

スイスでは生きたまま調理を禁止

スイスでは、今年、生きたロブスターなどの甲殻類を熱湯で調理することが法律で禁止された。甲殻類は痛みを感じる神経系を持つ可能性があるという研究結果を受け、施行されたもので、調理前に気絶もしくは即座に絶命させる必要があるという。また、氷水などにつけて輸送することも禁じられた。

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保健局は違法と主張

ジルさんの斬新なロブスターの調理方法は、数多くのメディアに取り上げられた。「ロブスターは本当にハイになるのか?」「ロブスターは熱さや苦痛を感じるのか?」「食べた人も影響はあるのか」「法律で許可されているのか?」などの様々な疑問が寄せられている。

ニューヨークタイムズが、調理方法に関する合法性に関して州の保健福祉局に確認したところ、「マリファナの影響を受けた食品を、認可された食事場所で消費者に提供するのは違法だ。」という回答を得たという。
広報担当者は「現時点では、マリファナで鎮静させたロブスターが、健康に与える影響に関する情報を持ち合わせていない。」としている。

マリファナの影響を受けたロブスターに関して、ジルさんは「尾をバタバタさせたり、爪で挟もうとはしなくなり」、「従順で落ち着いた様子になる。」とタイムズに語っている。
従業員がマリファナ入りのロブスターを食べたが、ドラッグを使用の形跡などは出ていないという。父親も毎日食べており、これから血液検査をするという。

ジジさんは、20日、メイン州の保健局から「マリファナは、ロブスターに対してではなく、自分自身に使用するためであり、ジルさんは、禁じられた方法でマリファナを使用している。」という通知を受け取ったことをタイムズに明かした。