米ディーン&デルーカのカフェ閉鎖。不動産会社が30億円支払い求め提訴

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DEAN & DELCA STAGE
©mashupNY

米ディーン・アンド・デルーカ(Dean & DeLuca)が今年4月、ミートパッキング地区に開業したカフェ「ステージ」(Stage)をわずか数ヶ月で閉鎖した。
これに対し不動産会社ミッドタウン・エクイティーズ(Midtown Equities)が、同社と親会社に対し、テナント料の滞納分や契約の途中解除に伴う費用、計2,900万ドル(約30億円)の支払いを求め、ニューヨークの地方裁判所に提訴した。コマーシャル・オブザーバーが報じた。

カフェが3ケ月で閉鎖

D&D STAGE
Dean & DeLuca STAGE by Ole Scheeren © Buro-OS

ステージは、今年4月に開業したカフェテリアスタイルの高級カフェ。ドイツ出身の建築家、オーレ・シェーレン(Ole Scheeren)氏が設計を手掛け、ディーン&デルーカの新たなコンセプトカフェとして話題となった。
しかし、地元の納入業者への支払いの滞納や資金繰りの悪化などが、NYタイムズなどによって報じられた後、7月に突如閉鎖された。

訴状によると、ペース社によるテナント料の滞納金額は2カ月分で、遅延金を含めると56万3,000ドル(6,000万円)となる。
ミッドタウン・エクイティーズはさらに、ペース社のソラポ・テシャクライシー(Sorapoj Techakraisri)最高経営責任者(CEO)に対し、保証人としての1,000万ドル、賃貸契約の途中解除に伴う違約金900万ドル、これらに工事費用や弁護士費用などを含めた合計2,900万ドル(約30億円)の支払いを求めた。

ディーン&デルーカは、ジョージオ・デルーカ(Giorgio DeLuca)氏と故ジョエル・ディーン(Joel Dean)氏が1977年に開業した。2003年東京に進出以来、アジアや中東にも店舗を展開している。

2014年、タイの富豪で起業家のテシャクライシー氏が経営する不動産会社ペース・デベロップメント社が1億4,000万ドルで買収した。

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ペース社は7月、ステージのほか、全米で展開する9店舗のうち3店舗を閉鎖すると発表した。この際、納入業者への支払い遅延も複数報じられている。
マンハッタンのSoHo店では、現在陳列棚にはかなり空きが目立つ。生鮮食品の大半は姿を消しており、飲料や菓子類、コーヒーなど一部に限られている。

DEAN & DELCA
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DEAN & DELCA
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