ニューヨーク地下鉄 L線閉鎖の中止を発表

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ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)州知事は3日、4月下旬より予定されていたニューヨーク地下鉄L線の全面閉鎖を中止すると発表した。

地下鉄を運営するMTAは昨年4月、ハリケーンサンディの洪水により損傷を受けたカナーシー・トンネル(Canarsie Tunnel)改修工事のため、マンハッタンとブルックリン間の一部区間を15ヶ月間閉鎖すると発表していた。

新たな計画では、全面閉鎖の代わりに、カナーシートンネルを走る2本の地下鉄のうち1本を閉鎖し、夜間と週末に工事を行う。通勤時間帯は、スケジュール通り運行し、夜間は本数を減少する。

トンネル自体は破損しておらず、海水がトンネルに染み込み、電気ケーブルの海水腐食が発生したことが明らかとなった。工事では、ケーブルを収納するトンネル側面の壁の大部分が交換される。

クオモ州知事は昨年12月、コーネル大学とコロンビア大学のエンジニアと共に、カナーシートンネル内の視察を行っていた。

クオモ氏は、記者会見で「大躍進」ともいえる新たな革新的技術によって、閉鎖することなく工事が可能となったと述べ、「ニューヨークの人々にとって素晴らしい恩恵をもたらすだろう。」と期待を述べた。
これらの技術はヨーロッパでは既に導入されているが、米国ではまだ実施されていないという。

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着工時期については明らかとされていない。ニューヨークタイムズによると、工期は、全面閉鎖と同程度を予定しているという。

NY地下鉄 ウィリアムズバーグ

現在のブルックリンとマンハッタン間のL線利用者数は約25万人で、4月からの閉鎖に備え、フェリーやバスなどの代替交通機関が用意されていた。

全面閉鎖の改修工事は、大きな混乱をもたらすとして、約3年かけて計画されたが、着工開始の数ヶ月前に中止が発表され、多くの人を驚かせた。