「ゴッドファーザー」俳優ジェームズ・カーンさん、82歳で死去

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映画「ゴッドファーザー」や「ミザリー」への出演で知られる俳優ジェームズ・カーン(James Caan)さんが6日夜、死去した。82歳だった。遺族がSNSで明らかにした。死因などは公表されていない。

カーンさんは、米公開から50周年を迎えた「ゴッドファーザー」(1972)で、短気で暴力的な長男ソニー・コルレオーネ役を演じ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。

ニューヨークポスト紙によると今年3月、「ゴッドファーザー」の成功の秘訣について、「才能あふれる監督や脚本、素晴らしい俳優に加え、皆がそれを作るのを楽しんでいたことだ。それがスクリーンで表現されている」と語っていた。

ニューヨークのマフィア、コルレオーネファミリーの栄枯盛衰を描いた不朽の名作「ゴッドファーザー」は、原作者のマリオ・プーゾが脚本を手がけ、フランシス・フォード・コッポラが監督、アル・パチーノや、マーロン・ブランド、ジョン・カザールらが出演した。

ドン・コルレオーネ役のマーロン・ブランドについて「素晴らしいユーモアセンスを持っていたが、たまにオチを理解するのに苦労した」と思い出を語っていた。

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ブロンクスで生まれ、クイーンズで育ったカーンさんは、ニューヨークには独自の「道徳や忠誠心」があり、それがソニー役を演じるのに役立ったと語っている。「勝ち負けの方法を知っている。大勢のキッズがいれば、誰とやり合えばいいかが分かる。ニューヨークだからこそ身についた第六感のようなもの」があると語っている。

Varietyのインタビューでは、ゴッドファーザーには「時代遅れにならないもの」や「多くの真実、率直さ、芸術性」が含まれると作品を称賛した。

カーンさんは1961年、ブロードウェイでデビューした後、テレビや映画での端役を経て、1965年にハワード・ホークス監督の「レッドライン7000」や、ジョン・ウェイン主演の西部劇「エル・ドラド」(1966)に出演した。1969年のコッポラ作品「雨の中の女」(The Rain People)で主演を務めた。

ロブ・ライナー監督のサイコサスペンス「ミザリー」(1990)では、狂気の読者アニーに襲われる人気作家ポール・シェルダンを演じている。ウィル・フェレル主演のコメディ映画「エルフ」(2003)では、”バディ”の実の父親役を演じるなど、生涯を通じて130作品以上に出演した。

カーンさんには、「オーシャンズ」シリーズに出演している俳優スコット・カーンさんを含む5人の子どもがいる。