米国で忘れられつつあるホロコースト 調査結果で明らかに

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12日、ホロコースト記念日(Holocaust Remembrance Day、Yom Hashoah)に発表された調査結果で、多くの米国人、特に18歳から34歳のミレニアル世代で、ナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺、ホロコースト(Holocaust)に関する知識や認識が薄れていることが明らかになった。

Schoen Consultingが、2月23日から27日の間、1,350人の米国人を対象に行った調査(誤差は3%)によると、

  • 約600万人のユダヤ人が犠牲になったと推定されているが、約3分の1の米国人が、また41%のミレニアル世代が、200万人もしくはそれ以下だと思っているという。

  • 41%の米国人が、また66%のミレニアルは、アウシュビッツ(強制収容所)が何かを説明できない。

  • 350万人のポーランド出身のユダヤ人が殺害されたが、37%のみの米国人しか、ポーランドでホロコーストが起こったという認識がない。

  • 11%のアメリカ人、22%のミレニアムはホロコーストについて聞いたことがない、もしくは不明確と回答している。

  • 反ユダヤ主義やネオオナチに関する質問事項では、約半数が米国にそれらの人々が存在すると回答。若干だが、ナチスのスローガンや、シンボルを使用したり、ネオナチの意見は許容できるとしている。

  • 一方で、学校でホロコーストについて学ぶべきと考える人は、93%で圧倒的に多い。また、ホロコーストを否定する回答も稀で、96%が虐殺は実際にあったと思っている。
  • 反ユダヤ主義による事件が増加

    USA TODAYによると、米国最大のユダヤ人団体「名誉毀損防止同盟」(Anti-Defamation League 略称ADL)の調査では、米国における反ユダヤ主義による暴行や、攻撃、破壊行為が1,986件発生している。2017年は、その前の年に比べ60%増加しており、ADLが1970年からデータを収集し始めて以来、1年間で最大の増加となったという。