国境の壁を越えるはしご。クラウドファンディングで募金がスタート。その狙いは?

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先日のメキシコ国境の壁建設費用をクラウドファンディングで募るキャンペーンに対抗し、新たな募金活動が立ち上がり、話題となっている。

「トランプの壁を乗り越えるはしご」(ladders to get over Trump’s wall)と名付けられたキャンペーンは、陸軍の退役軍人で人権活動家のコミュニケーションスペシャリストのシャーロット・クライマー(Charlotte Clymer)さんが19日夜に開始した。

募金は、1日で6万ドル(約670万円)以上が集まっている。クライマーさんは、国境の壁建設の費用を募るキャンペーンが始まったのを知ったときは、「愕然とした。」とビジネスインサイダーに語っている。「怒りよりも、建つことのない壁にお金を寄付するという、あからさまな人種差別主義に悲しくなった。」と心境を述べた。

なお、国境の壁建設のための資金を募るキャンペーン「We The People Will Fund The Wall」はフロリダ州在住の退役軍人、ブライアン・コルファージ(Kolfage)さんが16日にスタートし、4日間で10億円以上が集まっている。

はしごは冗談。募金は難民支援費用に

今回のキャンペーンで調達された募金ではしごを買うというのは冗談であり、はしごで人を持ち上げるための活動に充てられる。具体的には、テキサスを拠点とする非営利機関「教育と法的支援のための難民移民センター」(Refugee and Immigrant Center for Education and Legal Services、RAICES)に募金され、難民申請の法的支援などに役立てられる。

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サイトには、「彼らは決してゴールに到達することはできませんが、私たちはどれだけの募金額であっても、私たちのゴールに到達することができる。」と綴られている。

クライマーさんは、このキャンペーンが、トランプが主張する壁の不合理さについて議論する機会になれば幸いだと述べている。「不法移民の人々は、犯罪や麻薬を持ち込んだりしていないし、仕事を盗んだというのもナンセンスだ。」と語っている。