ニッポンの美味がずらり!ニューヨークで高級食品見本市

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ニューヨークのジャヴィッツセンターでは12日から、世界のスペシャリティフードが一堂に会する見本市「サマー・ファンシー・フード・ショー2022」がスタートした。

同種のイベントとしては全米で最大規模。パンデミックのため2年間にわたって中止とされたことから、2019年以来3年ぶりの開催となった。

日本勢のブースはジェトロ(日本貿易振興機構)主導のもと、今年は規模を拡大。ジェトロ農林水産・食品部の河浦妙子氏によると、2019年は13社だったが、今回はコーナーを広げ、出展数は28社へと倍増した。パンデミック明けとあって心配された客足も、まずまずとのこと。常連企業に加えて、お茶関連の出展が増えたほか、輸入解禁となったメロンや福島県産のコメなど新たな顔ぶれが並んだ。

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気になる商品を見ていこう。

福島産のお米は、昨年9月に米国への輸出が可能になった。今回出店された福島県産のオリジナル品種「天のつぶ」は、お米の粒が大きく、粘り気が少ないのが特徴。開発に15年かかったという。一粒一粒に味が凝縮され、冷めても美味しくいただける。寿司や丼もの、おにぎりのほか、ニューヨーカーに人気のサラダなど幅広い用途が考えられるという。一度見たら忘れられないインパクトのあるロゴに、ギフトに喜ばれそうなキューブ型のパッケージにも注目が集まった。

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静岡産の高級マスクメロン「静岡クラウンメロン」。アメリカ本土への日本産メロンの輸出が解禁されたのが昨年の暮れで、まだ日が浅いにもかかわらず、出荷量を順調に伸ばしているという。その味に「ベスト・メロン・エバー!」と感嘆の声をもらす来場客がいるなど、今回の出展に手応えも感じているという。当サイト記者が、他の来場者から「200ドルのメロンはどこ?」と尋ねられるなど、会場内に噂が広がっていたようだ。

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多種多様な茶葉が並んでいるのは有限会社エバーグリーンのブース。鹿児島産の抹茶などに加えて、来場客の注目を引いていたのが「甘茶(あまちゃ)」。長野の生産者から仕入れているという。飲んでみると、ノンシュガーとは思えないほどの甘みに驚く。一般的にあまり知られていないが、日本ではお釈迦様の誕生日にお寺でふるまわれるものだという。抹茶やほうじ茶が米国で高い支持を得るなか、ノンシュガー&ノンカフェインの健康志向のお茶として注目を浴びそうだ。

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石川県金沢市にある食品加工会社、オハラ。こんにゃく製品からスタートしたが、次世代に事業を受け継ぐため、ゼリーなどさまざまな新事業を展開する。今回米国で初披露したのは「くずきり」。ジューシーなフルーツとつるつるとした”くずの食感”が絶妙にマッチした和スイーツは、パッケージも米国市場用に新たにデザインされた。商品はニューヨークで店舗を拡大するダイソーやミツワなどでの取り扱いが決定している。オーダーメイドにも対応可能だといい、米国でこんにゃくや、くずきりブームが到来する可能性も。

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東京都足立区が本社の洋菓子製造・販売会社、株式会社ドンレミーのフローズンスイーツアイテム。コロナ禍でも輸出取引を大きく伸ばしてきたという。米国での取り扱いは日系やアジア系スーパーが中心で、今後は米系やレストランへの販路拡大を視野に入れている。米市場では、抹茶やもちアイスなど、日本発商品が中国や現地の後発企業にシェアを奪われてきた過去があるが、同社では製造過程にハンドメイドを組み入れたり、素材をグルテンフリーにしたりするなど、マネのできない商品作りで差別化をはかるという。人気の大手食料品店、トレーダー・ジョーズにも、年末を目処にOEM供給を開始する予定だという。写真にあるのはフローズン・クレープ・ケーキ。

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業務用わさびといえば、この会社。創業98年目の老舗加工食品メーカーのカネク株式会社。寿司レストランだけではなく、ホールフーズやウェグマンズなどの有名大手スーパーにもわさびを卸している。ゆず商品も取り扱っており、今では定着しつつある米国のYUZUブームの火付け役でもある。今後はかぼすやすだちなど、新たな食材を提案していきたいという。

パンデミック前の2019年に米国進出したライス・ファクトリー。コロナ禍でも、オンラインでの販売が好調だという。北海道をはじめとした日本各地から選りすぐったお米を玄米のまま輸入。自社コンテナで適正な温度で管理し、お届け直前に精米するため、いつでも新鮮なお米が手元に届く。顧客の要望に応じて精米方法を変えたり、ブレンド米をオーダーすることができるのも魅力だという。ニューヨークのスカーツデールに直営店があるほか、日系食料品などでも購入可能。

ファンシー・フード・ショーの開催は14日まで。