マスク「AIで貧困ゼロ・仕事は選択制」発言にSNSで賛否

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Joshua Sukoff

世界一の富豪、イーロン・マスクによれば、10年後から20年後には仕事はオプションとなり、お金さえ必要なくなるかもしれない。

19日、ワシントンD.Cのケネディーセンターで開催された米サウジ投資フォーラムに、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOとともに登壇したマスクは、テクノロジーの進歩によって貧困をなくすことができる日が来ると述べ、「誰もが豊かになる方法の一つは、AIとロボット工学だ」と語った

さらにマスクは、長期的には仕事が「選択制」になると主張。「スポーツやテレビゲームをするようなものになる。お店で野菜を買えるが、裏庭で育てる人もいる。育てるのは大変だが、好きだからやる人がいるように」と説明した。

そのうえで、イアン・バンクスのSF小説『カルチャー』シリーズに言及。「興味深いことに、その本ではお金は存在しない。AIとロボット工学が継続的に進歩すると仮定すれば、長い目で見てお金は意味を失うだろう」と語った。
人類は引き続き「電気や質量、物理学の基礎要素」に制約を受けるものの、「ある時点で通貨は無意味になるだろう」とも述べた。

議論はサウジアラビアの通信大臣アブドラ・アルスワハが司会を務め、AIやエネルギーからヘルスケア、金融まで多岐にわたった。

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ユートピア的な展望を語ったマスクだが、SNSでは、自らロボット開発を手掛ける資産家の発言に不穏な空気を感じ取る声も多い。

  • 「たくさんのロボットを管理するのは誰なんだろう」
  • 「ロボットを所有する企業が、すべての商品を無料で提供するってこと?」
  • 「ユートピアを目指す試みは、いつもディストピアに終わってきた」
  • 「マルクスの引用じゃん(笑)」

今月テスラの株主総会が承認した、マスクへの1兆ドル規模の報酬案を持ち出すユーザーもいた。

  • 「給料が支払われなければ辞職すると言っていたあの人と同じ人?」
  • 「ついこの間1兆ドルを約束された男が、お金は関係ないと言っている…」

こうした発言の前日、マスクはムハンマド・ビン・サルマン皇太子の夕食会のためホワイトハウスを訪れた。
6月には「大きくて美しい法案」をめぐってトランプ大統領と激しく対立し、第三政党の立ち上げにまで言及したが、今回の訪問は関係改善とも受け止められている。ニューヨークポスト紙は、トランプとマスクの距離が再び縮まったことを「ブロマンスの復活」と表現。関係修復には、JDバンス副大統領候補とワイルズ首席補佐官が主要な役割を果たしたという。