日曜日, 9月 20, 2026

米上院、暗号資産「CLARITY法案」を否決――トランプ暗号資産ビジネスがボトルネックに

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トランプ大統領
@MashupReporter

米上院は9月15日、暗号資産(仮想通貨)の包括的な規制の枠組みを定める「クラリティー法案」の審議入りを問う手続き投票を49対50で否決した。討論終結に必要な60票には遠く及ばず、業界が1年以上かけて働きかけてきた最重要法案は、最終局面で大きくつまずいた。

民主党側は反対に回り、共和党からも数名が造反した。上院の勢力は共和党53、民主党47。つまり単純過半数の壁ではなく、60票という「超党派の壁」に阻まれた形になる。

暗号資産取引の法的位置付け、SECとCFTCといった規制当局の「どっちがどこを仕切るか」を明確にすること。業界にとっては、ようやく「公的なお墨付き」が得られるチャンスだった。Coinbaseのような取引所にとっては、待望の法案だった。法案を主導したシンシア・ラミス上院議員(共和党、ワイオミング州)は採決直前、「これが通らなければ、もう終わりだ」と自ら退路を断っていた。

民主党側の言い分は一貫している——「大統領とその家族が、在任中に私腹を肥やすのを防ぐ歯止めが弱すぎる」。トランプ氏は日曜に譲歩案を提示し、月曜には民主党から資産売却義務を求める対案が来たが、折り合わなかった。

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7月に公開された財務報告によると、トランプ氏の2025年の暗号資産関連収入は14億ドル超(約2,200億円、1ドル154円換算)。内訳は、$TRUMPミームコインのロイヤリティとみられる「セレブレーション・コインズ」から6億3,500万ドル(約980億円)、息子たちが共同創業した「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」から5億ドル超(約770億円)。前年の総所得が6億ドル台だったことを思えば、暗号資産だけで、いつもの「平年並み」を軽く超えてしまった計算だ。

ホワイトハウスは「大統領も家族も利益相反に関与したことは一度もない」と否定するが、トランプ氏本人は記者団にこう答えている。「みんな儲けているんだよ、株が上がっているんだから」。奇しくもこの一言こそ、民主党が採決前夜まで譲れなかった論点そのものだった——「みんな」の中に、規制する側の本人が含まれている、という点である。

市場は素直に反応した。採決当日、Coinbaseは10.10%安、ステーブルコイン発行のCircleは11.41%安、ビットコイン保有戦略で知られるStrategy(MSTR)も5.36%安で引けた。ビットコイン本体も4%下落し、7万5,000ドル台まで値を下げた。

議会は10月に休会入りし、その先には中間選挙が控える。民主党が下院を奪還すれば、法案が日の目を見る目はさらに遠のく可能性がある。当面、業界は議会ではなくSECなど規制当局への働きかけに軸足を移すとみられる。

かつてビットコインを「詐欺だ」と切り捨てた人物が、いまや暗号資産関連で年間14億ドル超の収入を得る。「CLARITY(明確化)」を掲げた法案が最後まで明確にできなかったのは、監督官庁の境界線ではなく、規制する側と、規制される市場から利益を得る側——その境界線だった。