「包囲網が狭まっている」 元盟友 トランプ氏の刑務所行きを予測

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かつての盟友で、今は共和党の2024年大統領選予備選の対抗馬でもあるクリス・クリスティ前ニュージャージー州知事は、トランプ氏は「真の禁錮刑」を受ける可能性が高いと見通しを語った。

クリスティ氏の発言は、トランプ政権で最後の大統領首席領補佐官をつとめたマーク・メドウズ氏が、司法省のジャック・スミス特別補佐官に宣誓証言を提供する代わりに訴追免除を認められたとの報道を受けたもの。

連邦検察官のキャリアを持つ同氏はCNNのインタビューで「マーク・メドウズが証言していることは、つまり自分(トランプ氏)は言っていることが事実に裏付けられていないことを最初から知っていたということだ」と指摘。「ドナルド・トランプは非常に大きなトラブルに陥っている。これが法廷で証明されれば、真の禁錮刑に直面することになる」と語った。

トランプ氏が各種世論調査でトップを独走する予備選に与える影響について聞かれると、「ドナルド・トランプ包囲網が狭まっている。ジェナ・エリスが今日有罪を認め、元大統領に不利な証言をすることに同意した。シドニー・パウエルが元大統領に対する証言に同意した。ケネス・チェスブロが元大統領に不利な証言をすることに同意した」と、ジョージア州の訴追の近況に触れ、「アトランタだけではない、連邦のジャック・スミスの1月6日裁判も同様だ。今度はマーク・メドウズだ」と語った。

スミス検事は今年8月、2020年大統領選の結果を覆す試みに関連し、トランプ氏を国家を欺いた罪など4つの罪状で起訴に持ち込んだ。起訴状では「(選挙の)敗退にも関わらず、被告は権力に留まろうと決意した」と述べ、投票不正の主張が虚偽だと知りながら、正当な投票を差し引いて、選挙結果を覆すという違法な方法を追求したと断じた。トランプ氏はこれに加え、ジョージア州のケースなど合計で4つの刑事裁判に直面している。

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ABCニュースは24日、情報筋の話として、メドウズ氏はスミス検事と少なくとも三度話しており、このうちの一回は連邦大陪審の前だったと伝えた。メドウズ氏は、2020年の選挙後間もなく、大規模な投票不正があったとする主張には根拠がないとトランプ氏に繰り返し告げたと明かしたほか、連邦捜査官らに、トランプ氏が選挙日の深夜に勝利を宣言したのは国民に「不誠実」だったと振り返り「明らかに我々は勝利しなかった」と供述したという。

トランプ氏は以前、メドウズ氏を「特別な友人」で「素晴らしい首席補佐官だ。この上なく素晴らしい」と褒めそやしていた。

25日、ニューヨーク州裁判所で進行中の民事訴訟の審理に出席したトランプ氏は、この報道について聞かれると、「マーク・メドウズとは数年にわたって幾度となく話をしており、彼は選挙が不正に操作されたと強く信じている」と記者らに語った。

ジョージア州の刑事裁判では、検察側はこれまでに共同被告4人に有罪を認めさせた。トランプ弁護団の1人だったジェナ・エリス氏は24日、法廷で有罪を認め、「今知っていることを当時知っていたならば、ドナルド・トランプの代理人を断っていた」「この経験を深い後悔とともに思い出している」と涙ながらに語った。