マンハッタンのロウアー・イーストサイドにある老舗菓子店「エコノミーキャンディ」では、この時期に不可欠な「キャンディケイン」が底をついているという。
オーナーのミッチェル・コーエン氏は、ニューヨークポスト紙の取材に、ホリデーシーズンのために発注した量の半分しか届いていないと説明。届いた分はすぐに売切れてしまったといい、1937年の創業以来初めての出来事だと話した。
キャンディケインは、杖の形をした赤と白のストライプ模様のキャンディ。クリスマスの時期に多く出回り、子供たちのプレゼントや、ツリーの飾りにも使用される。
品薄の原因は、味付けに必要なペパーミント不足によるもの。近年の生産量の低下に加えて、新型コロナによって起きた物流の停滞が影響しているという。
ネブラスカ大学農業天然資源研究所によると、米国は世界第一位のペパーミント生産国で、全体の70%を占める。ただし、生産量は減少傾向にあり、米農務省のデータでは、過去10年で25%落ち込んでいる。
シラキュース大学のパトリック・ペンフィールド教授も、USA Todayに、クリームチーズや海外食品と並んで、ペパーミントは不足している食品の一つと指摘している。ペンフィールド教授は、原因は国内の労働力とトラック不足にあるとしつつ、ホリーデーシーズンが深まるにつれて、さらに在庫不足が顕在化するだろうとの考えを示した。
キャンディ以外にも影響が及んでいる。
ミズーリー州セントルイスのアイスクリームショップ「Naughty and Nice Creamery」のオーナー、タマラ・キーフ氏は地元メディアに、供給不足を見越して、春から調達に動いたと明かした。ペパーミント味は、同店で2番目に人気の高い商品だという。
キーフ氏は「世界が再開したからといって、すべての原材料やサプライチェーンが準備完了というわけにはいかない」と述べ、供給不足は2022年、2023年まで続くだろうと、見通しを語った。
先日はクリームチーズ不足が報じられたばかり。ニューヨークの老舗ベーグル店がクリームチーズ確保に奔走する様子が伝えられたほか、大手メーカー、クラフト・ハインツが消費者にチーズケーキ以外の商品を購入するよう呼びかけ、話題となった。