カナダで嗜好用大麻が解禁 – 米議員の動きは?

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カナダでは17日から新たな大麻に関する法律(Cannabis Act)が施行され、娯楽目的の大麻の所持や使用が解禁となった。嗜好用大麻を合法的に所持、使用を認めるものとしては、2013年に解禁したウルグアイに続く、世界で2カ国目となる。

新法で、合法的に大麻が所持できるのは18歳以上で、30グラムまでの所持または他の大人との共有が認められる。大麻製品は州または準州の認可を受けた小売店のみで販売されるほか、個人使用に限り、4本まで栽培することが認められる。一方で、食用大麻と濃縮大麻の購入は違法のままとされている。また、行き先の国を問わず、大麻を所持したままカナダを出国または入国することは禁じられている。

ただし、所持が可能な分量や年齢規制は、州や準州の法律によって異なるため、各地域の法律に従う必要がある。ケベック州の最低年齢は18歳以上だが、オンタリオ州やブリティッシュコロンビア州は19歳以上となっている。

ケベック州では州が運営する「The Société québécoise du cannabis (SQDC) 」の店舗またはオンラインでのみ購入することができる。水曜日時点で、SQDCはモントリオールに3店舗、その他州内に12店舗をオープンしたという。

モントリオールのSQDC店舗の様子

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アメリカ大麻解禁の動き

CNNによると解禁により、カナダの大麻産業は40億ドル規模になるという。米国では、現在9州とワシントンD.C.で嗜好用大麻が合法化されているが、連邦法では禁じられている。議会では徐々に大麻解禁に向けた議論が高まっている。コーリー・ブッカー上院議員(民主 ニュージャージー州)は昨年、非犯罪化を目的とした法案「Marijuana Justice Act」を提出。ロン・ワイデン上院議員(民主 オレゴン州)やバーニー・サンダース上院議員(無所属 バーモント州)が共同提案者に加わった。また、今年6月、民主党のチャック・シューマー院内総務は、規制物質法(Controlled Substances Act)の定める一部の麻薬リストから大麻を取り除き、大麻所持を非犯罪化する法案を提出した。

17日のカナダの解禁を受け、ロン・ワイデン上院議員は声明で「変化の時だ。議会はこれを機会に、正しいことを行い、他の合法物質と同様に大麻を責任をもって管理し、課税することで連邦レベルの大麻の禁止をやめるべきだ。」と発表。「北の隣国が大麻の合法市場を解禁した。遅くなればなるほど、オレゴン州や他州の潜在的に莫大な経済的機会を逃してしまう」と非合法化を促進するよう呼びかけた。

ニューヨークでは嗜好用大麻は現在も禁じられている。ただし、長く合法化に否定的だったアンドリュー・クオモ州知事が、嗜好用マリファナを合法化した場合の影響を調査するようニューヨーク州保健局に指示をするなど、柔軟な態度を示しつつある。保健局は7月の調査報告書で、「合法化するかどうかの問題というようりも、どのように責任をもって実行するか」と、合法化を支持する姿勢を明らかにし、「州がマリファナ市場を管理規制することによる効果は、潜在的なマイナスの影響を上回る」と結論づけており、今後の知事の対応が注目されている。
また、ビル・デブラシオ市長は今年5月、マリファナ使用による逮捕を停止するようニューヨーク市警察に要請。州レベルの解禁を見越して、下地づくりに動き出したとの観測が流れている。