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IKEAの食事メニューに従業員が激怒のワケ

先日、連邦の祝日とする法案が成立した6月19日「ジューンティーンス」。奴隷解放宣言から2年後の1865年のこの日、北軍のゴードン・グレンジャー将軍が連邦軍とともにテキサス州ガルベストンに到達し、アフリカ系アメリカ人に南北戦争が終結し、奴隷制度が終了したことを告げた。以来、奴隷解放記念日または黒人独立記念日として、重要とされてきた。

そんなジューンティーンスを記念しようと、家具量販店IKEA(イケア)のアトランタ店が食事メニューを企画したところ、人種差別に対してあまりに無神経だとして、従業員や顧客から怒りの声が上がった。

CBS系列の地元テレビ局が従業員に取材した内容によると、店から従業員に通知があったのは記念日前日の先週金曜日。メールで、ジューンティーンスに際して「黒人アメリカ人に称賛と支持」を示すために、「フライドチキン、スイカ、カラードグリーン、マックンチーズ」などのメニューを提供すると伝えたという。

ある従業員は取材に「ジューンティーンスにスイカをソウルフードメニューだといって出すことなんてできないでしょう」と非難。「奴隷制時代、彼ら(奴隷主)は奴隷にスイカを与えていたという歴史さえ知らないのだ」と話した。従業員の一部はあまりの怒りに、仕事をやめようと考えるほどだったという。

従業員33人が欠勤する事態に発展したため、店舗マネジャーから当日、従業員に謝罪のメールが送られた。マネージャーは、メニューの検討に黒人の従業員が参加していなかったことを明かし、決定が「主観的」だったとして謝ったという。

同局に対して、店側は当日のメニューを「カラードグリーンとコーンブレッド、マッシュポテト、ミートローフ」に変更したと説明した。

ミズーリー大学のクレア・シュミット教授(Claire Schmidt)が以前NPRに話したところよると、チキンも安くて、食べさせやすいことから、スイカと同様に南部では奴隷の便利な食事として利用されてきた。また白人の視点からKKKを英雄として描いた1915年のサイレント映画「國民の創生」にある、怠惰な黒人議員がフラドチキンを大げさに頬張る場面などを通じて、黒人とフライドチキンのステレオタイプが形づくられていったと説明している。

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