エイサップ・ロッキー無罪主張 スウェーデン暴行事件の初公判

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スウェーデンのストックホルムで暴行事件に関わった容疑で逮捕、起訴された米人気ラッパーのエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky 本名:ラキム・メイヤーズ)の初公判が30日行われた。

公判でロッキーと側近の2人はともに無罪を主張した。

米複数メディアの報道によると、検察は、被告らが6月30日にストックホルム中心部で、被害者とされるムスタファ・ジャファリ氏に対して共同して、故意に暴行したと主張。3人の被告が地面に横たわるジャファリ氏をたたき、蹴ったことに加え、瓶で殴ったとしている。

検察は切り傷やあざ、血液のついた衣服などの警察による写真に加え、肋骨の損傷や頭部の切り傷、縫合手術が必要となった腕や足の写真を提供。さらにセキュリティカメラと目撃者が携帯電話で撮影したビデオを提出した。

またロッキーがインスタグラムにポストしたビデオは編集され、喧嘩の前にボディーガードがジャファリ氏をつかんだ様子が削除されていると主張。ビデオの編集を巡って、側近とロッキーの間で交わされたテキストメッセージも提出されたという。

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ロッキーは、7月2日のインスタグラムの投稿で、ジャファリ氏がボディ・ガードの顔をヘッドフォンで殴り、後をつけてきたとキャプションをつけてビデオを公開している。

弁護側は「彼(ロッキー)は被害者を地面に投げ、腕を踏み、パンチし、肩を押したことを認めている」としたものの、嫌がらせと挑発行為に対する自衛行為だと主張している。瓶については、証拠がないと否定している。

ジャファリ氏は13万9,000スウェーデン・クローナ(158万円)の損害賠償を求めている。

ビッグアーティストの逮捕は、直後から世界中の注目を集め、キム・カーダシアンやロッド・スチュワート、ジャスティン・ティンバーレイク、ニッキー・ミナージュなど有名人らが釈放を求めていた。

これらの働きかけに、ホワイトハウスも関心を示した。トランプ大統領は20日、スウェーデンのステファン・ロベーン首相と電話で会談。個人的に保釈金の保証を申し出るなど、関心の高さをアピールした。しかしロベーン首相は司法手続きに政府が介入することはないとして、事件を特別扱いをしない意向を伝えた。

ストックホルム検察が25日に起訴を発表すると、トランプ大統領はロベーン首相に対し、「何もできなくてがっかりだ」と失望を表明。続けて「スウェーデンはアフリカ系アメリカ人コミュニティを失望させた。…アメリカ人を公平に扱え!」とツイートした。

有罪となれば、ロッキーは最長で2年の禁錮刑が言い渡される可能性がある。

ニューヨークタイムズによると、スウェーデンの法律の専門家は地元の新聞に対して、禁錮刑は、現場から見つかった瓶が攻撃に使用されたかどうかによると語っている。

次回の公判は木曜日に開催され、金曜日には判決が下るとみられている。