ストックホルムの路上で男性に暴行したとして起訴された米人気ラッパーのエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)に、ストックホルム地方裁判所は14日、有罪判決を言い渡した。禁錮刑は免れた。

ロッキー(30)は6月30日、ツアーで訪れていたストックホルムの路上で、仲間2名とともに被害者のムスタファ・ジャファリ氏(19)を地面に投げとばし、殴る蹴るの暴行を加えた。

公判では自衛行為として無罪を主張したが、裁判所は、2人の目撃証言から、切迫した暴行の対象ではなかったとして、被告らの主張を認めなかった。

裁判では、暴行にガラス瓶が使用にされたかどうかが焦点となった。検察は、被害者は後頭部をガラス瓶で殴打されたと主張。ロッキーは瓶を一度手に取ったことを認めたが、すぐに「バカな考えだと思い」手放したと主張していた。裁判所は、瓶の使用は証明されなかったとして検察の主張を退けた。複数メディアは、ロッキーが瓶を使用していた場合、2年の禁錮刑になる可能性があると報道していた。

裁判所は刑について、「暴行は禁錮刑が選択されなければならないほどの深刻な性質ではなかった」とし、「故に、被告は条件付有罪判決となる」と述べた。

ロッキーは8月2日の審理の後に拘束を解かれ、すでに帰国している。

帰国後初のコンサートでロッキーは、ファンに感謝を述べつつ、無罪であると語っていた。

ABCニュースによると、有罪となった3人は、被害者に対して12,500スウェーデンクローナ(約13万8,000円)を支払う必要があるという。

トランプ大統領も参戦した スウェーデン ラッパー暴行事件 タイムライン

6月30日 暴行事件発生

地元メディアが有名アーティストが喧嘩に関わったと報道。

7月2日 TMZが暴行ビデオを公開

一方、ロッキーは、自身のインスタグラムに喧嘩前のやりとりの一部を撮影したビデオを公開。ビデオは編集されており、ジャファリ氏がボディガードにヘッドフォンを投げつける様子や、ロッキーのグループの後をつける様子などが映されている。ビデオでロッキーは、ジャファリ氏ともう一人の男性を説得する場面もある。

7月3日 ロッキー逮捕。各メディアが一斉に報道。

7月5日 裁判所、ロッキーら容疑者に追加2週間の拘束を命令

長期化にともない、拘束の長期化にともない、人権団体のほか、ジャスティン・ビーバーやキム・カーダシアン、ニッキー・ミナージュといった有名人から釈放を求める声が高まる。

7月19日 トランプ大統領が騒動に参加

トランプ大統領はカニエ・ウエストと話したことを明かし、解決に向けてスウェーデンのステファン・ロベーン首相と話すと発表した。

7月20日 トランプ大統領 スウェーデン首相と電話会談

ステファン・ロベーン首相と電話で会談したトランプ大統領はツイッターで、「良い会話」だったと述べ、ロベーン首相からロッキー氏が「公正に扱われる保証を得た」と報告。首相に個人的に保釈金を保証すると伝えたと発表した。一方、ロベーン首相の報道官は、首相は「スウェーデンではすべての人が法のもとに平等であり、政府が司法手続きに影響を及ぼそうとすることはできず、する意思もないことを強調した」と、裁判に介入することを否定したと発表。

7月25日 ストックホルム検察 ロッキーらを暴行の罪で起訴。

起訴の一報を受け、トランプ大統領は「何もできなくてがっかりだ」と失望を表明。「スウェーデンはアフリカ系アメリカ人コミュニティを失望させた。…アメリカ人を公平に扱え!」とツイート。

7月30日 初公判 ロッキーは無罪主張。

同日、米紙は、裁判を監視するためにトランプ大統領が人質問題に関するロバート・オブライエン大統領特使を派遣したと報道。オブライエン氏はスウェーデン高官に当てた書簡で、釈放しなければ両国関係にとって「悪い結果」となると警告した。

8月1日 公判2日目

8月2日 審理最終日

検察は6ヶ月の禁錮を求刑。判事は14日の判決まで、被告を拘束を解き、自由にすると判断。

今後は?

ロッキーの代理人のSlobodan Jovicic氏は、有罪判決について失望を表明している。ニューヨークタイムズに対して、判決を不服として上訴するかどうかはわからないとしつつ、「彼が、もう一度このサーカスをやるエネルギーとスタミナがあるかにかかっている」と語った。