米アマゾン ニューヨークの第2本社建設計画を中止

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©mashupNY

米アマゾン(Amazon)は14日、ニューヨークのクイーンズ第2本社建設の計画を中止すると発表した。ニューヨークタイムズが第一報を報じた。

アマゾンによる声明
”深く検討した結果、我々はクイーンズのロングアイランドへの本社建設計画を断念することを決定しました。アマゾン社にとって、新本社を設立することは、長期的に我々をサポートしてくれる州及び地域の議員による前向きで、協力関係が必要となります。ニューヨーカの70%が我々の計画と投資を支持するという調査結果がありましたが、多くの州または市議会議員が我々の進出に反対し、プロジェクトを進める上で必要となる関係を我々と構築しないことを明らかにしました。
このような結果に至ったことを残念に思います。我々はニューヨークを愛しています。その比類のないダイナミズムや人、カルチャー、とくに、我々が知り合った楽観的で、前向きなコミュニティーリーダー、スモールビジネスオーナーや住民たちが暮らすロングアイランドシティのコミュニティを愛しています。ブルックリンとマンハッタン、スタテンアイランドには現在5,000人のアマゾン従業員がおり、我々はこれらを継続的に拡大していく計画です。
ニューヨークへの建設を、熱心かつ快く受け入れていただいたクオモ州知事、デブラシオ市長、そのスタッフに深く感謝します。クオモ州知事とデブラシオ市長はニューヨーカーを代表して、地域への投資や雇用創出をすすめるために懸命な活動していただきました。両氏の尽力には感謝しきれません。我々の今回の決定が大変難しかったのはこのためでもありますが、彼らリーダーが、選出されたコミュニティーに示した確固たるコミットと献身に、最初から我々は感銘を受けてきました。
我々は現時点で、第2本社建設地の再検討をするつもりはありません。予定通り、北バージニアとナッシュビルの建設を進め、アメリカとカナダにある17箇所のオフィス拠点とテクノロジーハブを通じて雇用と成長を継続してまります。
我々の計画を快諾し、サポートいただいたクオモ州知事とデブラシオ市長、コミュニティリーダー達と住民の方々に改めてお礼申し上げます。今後、ニューヨークでの我々の活動が増していく中で、協働する機会があることを願っています。”

市長と州知事は相対する声明を発表

積極的に誘致を行ってきたニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew M. Cuomo)州知事と、ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は各々声明を発表した。

デブラシオ市長「ニューヨークで成功するならタフでなければ。我々はアマゾンに対し、世界中の中で最も偉大な街で、よき隣人となりビジネスを行うための機会を与えた。コミュニティで働く代わりに、アマゾンはこの機会を棒に振った。我々の街には、世界の中で最も優れた才能の人がいて、皆のため、より強く、より公平な経済成長を行っている。もしアマゾンがその価値を理解することができないら、競合がそうするだろう。」と

クオモニューヨーク州知事「アマゾンは、2.5万人から4万人までの高賃金の雇用と、危機的状況にある交通機関の改善に充てるための300億ドル(約3兆3000億円)の歳入をもたらす予定だったと」述べ、「しかしながら、小グループの政治家らが、コミュニティよりも彼らの狭隘な政治利益を優先した。何度かの世論調査では、圧倒的多数がアマゾンが来ることを支持していた。NY州上院は、甚大な損害をもたらした。彼らは、失われた経済的損失についての責任を負うべきだ。」と反対を唱えた議員らを非難した。

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アマゾンNY第2本社建設の経緯

アマゾンは2016年9月、事業拡大のため、シアトル本社と同等の機能を有する第2本社の建設を発表した。同社は建設にあたり、平均給与10万ドル(後に15万ドル、約1,650万円に上方修正)の5万人の雇用創出と50億ドルの投資や、25年以上にわたる275億円(約3兆3000万円)の税収などを確約。カナダやメキシコなどの含めて計238都市から応募が集まった。

昨年11月、アマゾンは第2本社をクイーンズのロングアイランドシティーと、バージニア州アーリトン郡クリスタルシティの2箇所に分散して建設すると発表した。
ニューヨークでは、ニューヨーク州のクオモ州知事とデブラシオ市長が協力し、誘致活動を進めてきた。

発表の後、アマゾンはニューヨーク州とニューヨーク市から約30億ドル(3,320億円)の税制優遇措置を受けることが、公表された契約書で明らかになった。

アレクサンドリア・オカジオ・コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)下院議員や、マイケル・ジアナリス(Michael Gianaris)上院議員ら地元の政治家や擁護団体から多くの非難を浴びていた。また家賃の高騰などを懸念する声も上がった。

直近では、州の上院は、アマゾン批評の急先鋒、ジナリス上院議員を公共団体管理委員会の役員に任命していた。同委員会はアマゾンとの契約を拒否することができるという。

地元議員の反対を理由に、アマゾンがニューヨークへの本社設立計画の見直しを検討していると8日、ワシントンポストが報じていた

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昨年11月14日、決定後にクイーンズで開かれた地元議員の反対集会©mashupNY
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第2本社建設予定地©mashupNY