「戦略会議でイランへの核兵器使用が議論されている。推測ではない、私は知っている」——前下院議員のマージョリー・テイラー・グリーン氏がX(旧ツイッター)にそう投稿し、波紋が広がっている。
同氏はこれを「純粋な悪だ」と断じ、広島・長崎で1945年末までに約21万が死亡した事実を挙げて「人類は『二度と繰り返さない』と誓ったはずだ」と訴えた。
グリーン氏の主張はこうだ。米情報機関はイランの核兵器開発が完成には程遠いと政権に伝えていたにもかかわらず、イスラエルが数十年繰り返してきた「あと数週間」という主張に沿って空爆に踏み切った。以来イランはホルムズ海峡を掌握し、いま米政府は核使用の敷居そのものを下げる議論をしている——。
ただし裏付け資料は示されておらず、政権側の確認も取れていない。現時点では一議員経験者の証言にとどまる。
ボルトン氏「漂流している」
批判は反戦側だけではない。第1次政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたジョン・ボルトン氏は19日、MS NOWに出演し、「6週間の攻撃の末に手を止めたのは大きな誤りで、その代償を今払っている」と述べた。
問題は「戦略の不在」にある。開戦時に自らの目標を理解しておらず、長期化に備えず、進捗を測る物差しも持たない、と。同盟国オマーンを「爆撃してやる」と口にした件では「頭に浮かんだことをそのまま口にするのはやめるべきだ。漂流し、もがき、何をすべきか分かっていない証拠だ」と切り捨てた。米韓合同演習の縮小についても、2018年シンガポール会談で誰にも相談せず演習中止を約束した経緯を振り返り、「当時も誤りだったが、今回はさらに大きな誤りだ」と指摘。イランはこれを「米国の焦りの証拠」と読むだろうと警告した。
相次ぐ迷走サイン
実際、トランプ氏は8月16日、金正恩氏との「非常に良い関係」を理由にヘグセス国防長官へ合同演習の「大幅縮小」を指示したと表明した。韓国国防省は演習を予定通り実施するとしている。
さらにホルムズ海峡を丸で囲んだ地図に「NEW U.S. Territory(新たな米国領)」と記した画像を投稿。イランのガリババディ外務次官は「海峡はツイートでも空母でも命令でも奪えない」と反発した。その約2時間後、トランプ氏は「海峡は開いており稼働中」と投稿し、封鎖継続との説明と整合しないメッセージを重ねている。
支持率は最低水準
世論の反応は明確だ。ロイター/イプソスの最新調査で支持率は33%、不支持64%と現任期で最低を記録。経済運営でも民主党38%対共和党35%と、約10年ぶりに民主党が上回った。キニピアック32%、CNN34%、AP-NORC33%と各社軒並み低水準で、イラン戦争の不人気とガソリン高が11月の中間選挙に重くのしかかる。
前出のボルトン氏の見立てでは、トランプ氏は「中間選挙後まで何とかごまかし通せるかを見極め、米国のガソリン価格が政治的に致命傷にならないことを願っている」。市場と同盟網は迷走が暴走に変わらないことを願っている。






