ニューヨークの5大マフィアを訴えていた女性が事故死

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マフィアに息子を殺されたとして1000万ドルの賠償金を求めて提訴していたニューヨークの女性が、運転中の事故で死亡した。FOXニュースが伝えた。

死亡したのはブルックリン在住のローズ・ガルガーノさん(70)。先月29日午後3時42分、ブルックリンの3アヴェニューを車で南方向に走行中、制御を失った。ニューヨーク市警察の高速道路捜査隊によると、当時ガルガーノさんが運転していた2020年型のレンジローバーが突然左に逸れ、カーブを跳び越えたあと、52丁目近くにある工事中の高架橋の支柱に激突したという。

事故発生後、通報で駆け付けた警察と救急隊が運転席で意識不明の状態のガルガーノさんを発見。近くの病院に搬送されたのち、死亡が確認された。事故現場はガルガーノさんの自宅があるベイリッジ地区から3kmほどの距離だった。

警察はガルガーノさんが運転中、何らかの理由で体調に異変をきたしたと見て調べを進めており、市の監察局が検視を行って死因を特定する。

ガルガーノさんの息子、ジェリーさんはニューヨーク・デイリーニュース紙の取材に応じ「妻として、母親として、祖母として愛されていた母を失い、私たち家族は悲しみに暮れています。母は深く惜しまれることでしょう」とコメントした。

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同紙によると、ガルガーノさんは2018年、夫のカーマインさんとともに、ニューヨーク5大マフィアの一つである「コロンボファミリー」の幹部、ジョゼフ・”ジョーイ・ケイブス”・コンペティエロ受刑者とディノ・”ビッグ・ディノ”・カラブロ受刑者を相手取り訴訟を起こした。両受刑者は1994年にカルガーノさん夫妻の当時21歳の息子、カーマイン・ジュニアさんを殺害した罪などで有罪判決を受けている。

ブルックリンの連邦検察によると、当時、カラブロ受刑者から「始末しろ」という命令を受けたコンペティエロ受刑者が、マクドナルド・アベニューにある窃盗車の部品販売店でカーマイン・ジュニアさんを射殺した。その後、コンペティエロ受刑者が、身長約190cm、体重約105kgの巨漢だったカーマイン・ジュニアさんの遺体を切断したと伝えられている。

2人はこれ以外にも様々な罪に問われていたが、司法取引で終身刑を免れ、コンペティエロ受刑者には2014年に禁錮12年、カラブロ受刑者には2017年に禁錮11年が、それぞれ言い渡された。

息子の死をめぐる損害賠償訴訟を提起したガルガーノさんは当時、NYデイリーニュースの取材に対し「絶対に逃がさない。彼らは私の人生と私の家族を永久に変えてしまった」と覚悟を語っていた。

夫のカーマインさんはパンデミックの最中に他界したという。家族にはほか、3人の息子がいるという。

今回の事故と訴訟との関連は、現段階では不明。