店で拾ったお札、持ち帰ろうとしたらとんでもない事件に発展

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テキサス州の65歳の女性が食料品店で50ドル札を拾ったことをきっかけに、店員ともみ合いになり、助けに駆け付けた家族が逮捕されるという事件があった。地元メディアFox26が伝えた、

ベティ・スミスさん(65)は15日午後、テキサス州オースティン近郊の街、インダストリーにある食料品店「リンドマン・グロサリー・ストア」で息子のためにアイスクリームと菓子パンを購入。その時、床に50ドル札が落ちているのを見つけた。拾ってそのまま持ち帰ろうとしたが、店員が返すよう迫り「ドアの前に来て、私を店に閉じ込めた」とスミスさんは話した。

スミスさんが「私のラッキーデーなの!」と譲らずにいると、店員は、少し前までいた友人の物かもしれないと主張。50ドル札を奪おうとしたという。

店の防犯カメラからは、店員らがスミスさんを取り押さえ、50ドル札をもぎ取る様子が確認できる。店員の一人は、人種差別的な言葉を使いながら店からは出さないと脅したという。スミスさんの息子は障害があり、外の車の中で待たせていたという。

スミスさんは孫のデズティニ・サイラスさんに電話で助けを求めた。サイラスさんは当時の様子を「祖母は取り乱していた。すぐにシャワーから出てバスローブを着た」と証言。防犯カメラには、少し後になって駆け付けたバスローブ姿のサイラスさんが映っている。店員は相変わらずスミスさんを店から出そうとはしなかったが、サイラスさんはスミスさんの持病の糖尿病を心配し、「祖母の足に痛みが出ているのが分かった。靴を脱いでいたから。私は『あんたたち、祖母を出してあげて!』と叫んだ」と、当時の出来事を語った。

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その後、店員の通報で警察が現場に駆け付けたが、警察は真っ先にサイラスさんを逮捕。さらに、後から現場に来ていたサイラスさんの母親までもが、店員の一人を攻撃した容疑で逮捕された。スミスさん一家は、店員たちが説明の機会を与えられたのに対し、自分たちは同じ扱いを受けず、話を聞いてもらえなかったと不満を述べている。

この翌日、事の顛末を知った店舗のマネージャーは、事件に関わった3人の店員を全員解雇し、スミスさん一家に謝罪した。店側は保釈金の負担と、そのほか必要なサポート、そして床に落ちていた50ドルを渡すと申し出たが、スミスさんは「欲しくない」と拒否。「ほとぼり冷めたころ、同じことが起きるような気がする」と胸中を語った。

一方、警察も事件について声明を発表。15日午後7時5分頃に通報で現場に駆け付け、担当警察官が騒動の原因を捜査したとし、「元の騒動には関わっていなかったが、後から到着して被害者一人を攻撃した人物を逮捕した。この二次被害も防犯カメラに記録されている」と述べた。また、関係者の証言や現場の映像、警察のボディーカメラ、その他の証拠を送検し、起訴すべき人物がいるかを検討するとしている。