トランプ氏 独立記念日に出馬表明?

91

極右メディア「Infowars」のホストで陰謀論者のアレックス・ジョーンズは、トランプ前大統領が、7月4日の独立記念日に、2024年大統領選への出馬を宣言をすると予測を述べた。

ジョーンズ氏は、自身の番組の休憩時間に撮影したとする動画で「ドナルド・トランプは、月曜日に2024年への出馬宣言をする準備をしている。特別な日だ」と主張。宣言のタイミングは「政治的、文化的、経済的、医学的、金融的な影響」を織り込んだものと述べた。また、トランプ氏は再出馬を計画していなかったが、「やつらが彼にひどく絡んで、アメリカを駄目にした」ことから、立候補を決意したとも語った。

ジョーンズ氏の発言だけに信頼性は低いが、宣言が間近という点はあながち否定できないのかもしれない。

ニューヨークタイムズは1日、タイミングは不明であるとしつつ、トランプ氏が最近、予告なしにソーシャルメディアで出馬を宣言すると述べたといい、これに驚いた側近らが、早ければ今月中にも宣言する可能性に備えて、活動基盤の準備に着手したと伝えた。

出馬を急ぐ背景には、議事堂襲撃事件への関与を追及する議会公聴会やジョージア州の捜査が激しさを増していることに加え、支持表明をした候補者の一部が予備選で敗北するなか、対抗馬となりうる議員の間で、有権者のトランプ離れへの期待が高まっていることも考えられる。

Advertisement

トランプ氏に近い共和党議員は同紙に、出馬の正式発表は、捜査を政治的動機に基づいたものとするトランプ氏の主張を支えるものとの見方を示している。

出馬表明となれば、11月の中間選挙で多数派の奪還を狙う共和党の戦略にも影響が及ぶ。民主党にとっては11月の選挙を、誤った選挙不正説を唱え、結果を覆そうとしたトランプ氏への国民投票へと焦点を変えることができ、共和党の一部では、党に有利と見られている家計の問題から、有権者の意識をそらしかねないと懸念する声もあるという。

トランプ氏のチーム内では意見が割れているという。反対派の間では、2020年を繰り返さず、勝利できる根拠を明確に示せるか疑問の声がある一方、息子ジュニア氏は、出馬に備えて陣営の規模を拡大するよう要求しているという。

支持率は?

議事堂襲撃事件をめぐって刑事訴追を求める声が高まっているものの、対抗馬となりうる議員らに対して、支持率でリードを保っている。

先月29日に発表されたエマーソン大学の世論調査では、2024年共和党予備選について、55%の有権者がトランプ氏を支持すると答えた。2位はフロリダ州のデサンティス知事で20%を獲得、マイク・ペンス前副大統領の支持率はわずか9%だった。

ただし、30日に結果が公開されたヤフーニュースとYouGovの調査では、予備選で一騎打ちを想定した場合、トランプ氏(45%)とデサンティス知事(36%)の支持率の差は一桁台となった。かつて磐石と見られた党内人気も、油断できない状況であることが示された。