ニューヨークで10日、女子サッカーW杯フランス大会の米女子代表チーム(USWNT)の優勝を祝うティッカー・テープ・パレード(Ticker Tape Parade)が開催された。米国は2-0でオランダを下し、2大会連続、4度目の優勝を果たした。
ロウアーマンハッタンのブロードウェイの「The Canyon of Heroes」から市庁舎まで行われたパレードには、中高生や家族連れを中心に大勢のファンが詰めかけ、大きな声援を送った。



「U.S.A!!U.S.A!!」の掛け声とともに、「イコール・ペイ」(同一賃金)の大声援も起きた。


今大会6得点を上げ、最優秀選手と得点王を獲得したしたミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)ら28人の選手は、今年5月、男女平等の報酬支払いや労働条件など性差別の解消を求めて、米サッカー連盟(USSF)を提訴している。
We have to love more, hate less
スタープレイヤーで、男女間の格差是正を訴え続けてきたラピノー選手は、市庁舎のセレモニーで壇上に立ち、チームの強さを称えるとともに、メンバーの多様性を誇らしく語った。
「私たちのチームには、ピンクの髪やパープルカラーの髪もいる。タトゥーもいればドレッドヘアーだって。白人、黒人の選手。その中間にあたるもの全て。ストレート、ゲイの選手もいる。」最後のフレーズでは一際、大きな拍手が起こった。
スピーチ後半では、スポーツを超えたロールモデルとしてのチームの意義や、人々に対する期待を語った。
「我々はもっと良くならなければならない。憎しみではなく、もっと愛さなければならない。話すばかりでなく、もっと聴かなければならない。みんな、これが自分たちの責任だってわかっているよね。…この世界をもっとよくするのは我々の責任なんだ。」と語った。
続けて「このチームは、この責任を背負い、置かれた立場とこの世界での役割を理解し、すばらしい仕事をしていると思う。」と代表チームの意義について考えを語り、「協力しなければならない。これは私からのみんなへの指令です。あなたができることをしてください。あなたがすべきことをしてください。自分自身の外にでてください。これまでよりも、もっと良くて、より大きなあなたになってください。あなたがそうする時、このチームが、あなたのなりうる自分を表しているならば、ぜひお手本にしてください。」と語りかけた。
USSFのカルロス・コルデイロ(Carlos Cordeiro)会長は、「私たちはあなた達の話を聞いている。そして信じている。あなた方によって、正しいことができるよう、努めているところだ。」と述べた。会場からは「イコール・ペイ」の声が沸き起こった。
ちなみに、コルデイロ会長はラピノー選手の名前の発音を間違え、SNSで失礼だと指摘が相次いだ。
祝賀パレードを前に、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)州知事は賃金の公平性を高める法案に署名を行った。
(written by Chie Inoue)