米を震撼させた連続爆弾魔「ユナボマー」が死亡

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大学や航空会社に爆弾を送りつけ、3人を殺害、23人を負傷させた「ユナボマー」ことセオドア・カジンスキー受刑者(81)が収監先の施設で死亡したことがわかった。

ABCニュースによると、連邦刑務所局の報道官が、10日午後12時30分頃、カジンスキー受刑者が房の中で意識不明となっているのが発見され、搬送先の病院で死亡が確認されたと明らかにした。

カジンスキー受刑者は2021年12月に、それまで収監されていた最高警備体制の刑務所「ADXフローレンス」から、ノースカロライナ州東部、グランヴィル郡ダーハムの近くにあるバトナー連邦医療センターに移送されていた。

当時、健康状態や移送の理由は明らかにされなかったが、同医療センターでは受刑者にがん治療、手術、神経診療、人工透析などの医療行為を提供するほか、末期患者の緩和ケアを行うホスピス部門も設置されている。

カジンスキー受刑者はハーバード大を卒業後、1970年代後半から20年近くにわたって米国内各地に自作の爆弾を小包で送りつけ、計3人を殺害。23人にけがを負わせた。

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最初の犯行は1978年。イリノイ大学で小包が発見され、返却先として記載されていたノース・ウエアスタン大学の教授の元へと送られた後に爆発した。以降1995年までに計16回の犯行を重ねる。1979年には、アメリカン航空機の爆破テロを企て、乗員乗客をパニックに陥れた。爆弾は貨物室で部分的に爆発したが、狙い通りに作動しなかった。

「ユナボマー」のニックネームは、大学(UNiversity)と航空会社(Airline)の爆破(BOMbing)を狙った犯行であることから、捜査当局が事件のコードネームを「UNABOM」としたことに由来する。

1996年4月、17年におよぶ捜査の末、モンタナの山奥にある小屋に潜伏しているところを拘束された。1998年に司法取引に応じて有罪を認め、仮釈放なしの終身刑を言い渡された。