トランプ大統領 9.11犠牲者補償基金の延長に署名

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トランプ大統領は29日、9.11犠牲者補償基金(September 11th Victim Compensation Fund)を2090年まで延長する法案に署名した。

ホワイトハウスのローズガーデンで開催した署名式でトランプ氏は、2001年同時多発テロ事件でツインタワーに駆けつけた隊員や警察官を「類稀なる性格と献身の心を持つ、無欲無私の愛国者だ」と称え、「世界は、ニューヨーク消防局とニューヨーク市警察の並外れた人々の中に、我々の国家の強い力と回復力を目撃した。」と語った。続けて、「彼らとともに育ったから、これが本当だとわかる。」と自身がニューヨーク出身であることを強調した。

トランプ氏は、9.11以降の癌や病気による死亡者数は2,000名以上になったと述べ、「いまなお影響を受け続ける遺族とともにあることを誓う」と語った。

式典には、数十名のファースト・レスポンダーのほか、救出活動に起因する癌や病気で家族を失った遺族が参加した。この中には、先月、大腸癌のため他界したルイ・アルバレス(Luis Alvarez)元NYPD刑事の遺族も出席した。アルバレス氏は先月11日、議会公聴会に出席し、基金の再認可の必要性を訴えていた。この後、基金の延長を定めた法案「ネバー・フォーゲット・ザ・ヒーローズ法案」は402-12で下院を通過。上院では98-2で可決された。

法案についてトランプ氏は「愛する人を失った家族のための経済的支援を恒久的なものにする。有害な瓦礫にさらされたことに起因する癌や他の病気に苦しむ人々のための年金も提供する」と語った。

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式典には、当時ニューヨーク市長で、現在トランプ氏の弁護士のルディ・ジュリアーニ(Rudy Giuliani)氏が参加した。The Hillによるとホワイトハウスは、マイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)前市長と現職のビル・デ・ブラシオ(Bill de Blasio)市長を招待したが、いずれも出席しなかった。デブラシオ市長は2020年の大統領選に名乗りを上げている。また、9.11のファースト・レスポンダーへの社会保障やヘルスケアを訴え、基金延長のロビー活動に尽力したコメディアンのジョン・スチュワート(Jon Stewart)氏も出席しなかった。