「MRIも完璧」トランプ大統領、うっかり自慢で健康不安説が加速

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Brian Jason / Shutterstock.com

トランプ大統領が何気なく認めた一言が、くすぶり続ける健康不安説を煽る結果となっている。

クアラルンプールから東京に向かうAir Force Oneの機内で、記者からウォルター・リード医療センターで行われた最新の健康診断にMRI検査が含まれていたか尋ねられると、「受けましたよ、MRI検査を受けた。結果は完璧だった」と即答した。

理由については答えず、「彼らは非常に明確な報告を君たちに提供した。私が提供したような報告書を、これまで誰も見たことがないだろう」と胸を張った。

トランプは10月10日に今年2度目の”年次”健康診断を受けた。公開された報告書には「高度な画像診断、臨床検査、予防的健康評価」およびインフルエンザとCOVID-19の予防接種を受けたとあるが、MRIについては明記されていない。主治医のショーン・バルバベラ医師は報告書で、「トランプ大統領は非常に優れた健康状態を維持している」と結論し、「心臓年齢は実年齢より14歳若いことが判明した。大統領は支障なく多忙なスケジュールを引き続きこなせる」と太鼓判を押した。

CNNの記者によると、これまでも「高度な画像診断」について記者団が再三明確化を求めてきたが、ホワイトハウスは明確な返答を避けてきたという。

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同局のインタビューに応じた心臓専門医のジョナサン・ライナー博士は、MRIは「定期的な健康診断の一部」ではないと指摘。「最大の疑問は何が彼のMRI検査のきっかけとなったのか、どのような症状に懸念を抱いたのかだ」と主張し、「どのタイプのMRI検査が実施されたのか。脳、心臓、脊椎、あるいは前立腺のMRIか」と種類について明らかにすべきだと話した。

トランプのMRI発言はSNSでも広く拡散し、一時はMRIがトレンド入りした。

多くのユーザーは、明らかにされていない症状に基づいて実施されたのではないかと疑問を呈する一方で、富裕層は定期検診の感覚でMRIを受けているなど、トランプ氏を擁護する声も多く見られる。

ちなみにトランプの精神面に長年警鐘を鳴らしてきた心理学者ジョン・ガートナー博士は先日放送のポッドキャスト番組で、MRIは脳に異常が疑われた証拠だと指摘。博士は、トランプの最近の言動や身体的特徴から、すでに複数回の軽度の脳卒中を経験している可能性もあり、重要な政務を影の人物が担う「ミセス・ウィルソン体制(1919年に脳梗塞で倒れたウッドロー・ウィルソン大統領に代わり妻イーディスが政務を取り仕切った歴史的事例)」に移行している可能性さえあると語っている。