大統領就任後初 トランプ夫妻がイラク駐留米軍をサプライズ訪問

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トランプ大統領とメラニア夫人は26日、イラクの首都バクダット西部にあるアル・アサード航空基地をサプライズ訪問した。トランプ大統領が戦闘地域を訪問するのは、大統領就任後初めて。

トランプ夫妻は、25日の深夜過ぎにジャーナリストと側近らとともにアンドルーズ空軍基地を出発。11時間のフライトの後、イラクに3時間ほど滞在した。安全上の理由から、現地到着まで、大統領の訪問は明かされなかった。訪問後、サラ・ハッカビー・サンダース大統領報道官がツイッターで訪問を発表した。

トランプ大統領は、100名ほどの兵士らを前にスピーチを行ったほか、セルフィー写真などを撮ったのち、軍指導部や外交官と会議を行なった。

↓兵士達からセルフィーや、シグニチャーのMAGAキャップにサインを求められるなど、歓迎を受ける大統領夫妻

ブルームバーグによると、トランプ大統領は記者らに対し、イラク撤退の計画がないことを伝えた。隣国シリアから撤退した後、米軍はイラクを、イスラム国を含む敵対勢力に対する作戦基地として使用すると語った。
「もし、ISISが我々が好まないことをしでかすなら、彼らが何が起きいるかわからないほど我々は彼らを迅速かつ激しく攻撃することができる。」と述べたという。

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イラクには約5,000人の米兵が駐留している。アル・アサード航空基地は、シリア国境から185キロほど離れており、イラクの首都バグダッドから220キロほど西側に位置するという。

トランプ大統領は先週、イスラム国(IS)の脅威がなくなったとして、シリアの全軍2,000人を、次いでアフガニスタンから駐留兵士の約半数、7,000人の撤退を国防総省に命じたことが報じられた。
米国は2001年9月11日に発生した同時多発テロ事件以降、アフガニスタンでの駐留を続けている。
アフガニスタンからの撤退に関しては、トランプ大統領は2016年大統領選より公約として掲げていたが、昨年秋には米兵を追加で派遣することを発表していた。

トランプ大統領の撤退決定には、議会や政権内部からの批判も強く、シリア撤退の命令の翌日には、ジェームズ・マティス(James Mattis)国防長官が辞任を表明した。
マティス氏は辞表の中で、大統領に対し「あなたには、これらの問題についてより見解が一致する国防長官を任命する権利がある」と述べていた。

イラク訪問中、大統領は「頭を使いはじめる時期だ。」「我々と軍隊を利用する国々に足元をみられたくない」と記者に語ったという。

紛争地帯の軍隊訪問は歴代大統領の慣例行事に

ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領は、イラク戦争時、2003年のサンクスギビンングデーに首都バクダッドへの訪問を含む在任中に8回軍隊を訪問。オバマ前大統領は、就任1ヶ月後の2009年4月にバクダッドを訪問したほか、韓国やアフガニスタンも訪れている。

トランプ大統領は2002年以来、一度も海外の戦闘地帯の軍隊を訪問していない大統領と指摘されていた。国防をめぐる議員や指導部との緊張に加え、先月パリで開催された第1次世界大戦終結を記念する式典で、米兵の墓地への訪問を中止したことで、批判が高まっていた。

トランプ大統領は、サンクスギビングデーでフロリダの別荘に向かう前、記者団に「戦地にいく予定だ」と語ったが、日程と場所については明らかにしていなかった。

シリア全軍と、アフガニスタン半数の撤退を発表

トランプ大統領は先週、イスラム国(IS)の脅威がなくなったとして、シリアの全軍2,000人を、続いて14,000人の米兵が駐留するアフフガスタンから半数を撤退する計画を発表した。

アフガニスタンからの撤退に関して、トランプ氏は2016年大統領選より公約として掲げていたが、昨年秋には米兵を追加で派遣することを発表していた。なお、米国は2001年9月11日に発生した同時多発テロ事件以降、駐留している。

シリアからの撤退は、中東に関する方針が対立したジム・マティス(James Mattis)国防長官の辞任を引き起こすなど、論議を呼んでいた。
一部の政府高官や、リンジー・グラハム上院議員など共和党内にも、現時点での撤退は、ISの脅威が再び増す危険性があるとして、反対する声も上がっている。