ヘイトクライムで逮捕、クリスマスで賑わうNYグラセン駅 観光客2人が刺される

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クリスマスで賑わうマンハッタンのグランドセントラルターミナルの飲食店で、10代の少女2人が男に刃物で刺され負傷した。

ニューヨークポスト紙によると、犯人は黒人の男で、犯行に及ぶ際「白人は全員死ね」と叫んでいたという。ヘイトクライムの殺人未遂と暴行で逮捕された。

事件が起きたのは、午前11時半ごろ、駅地下のフードコートにあるフレンチカフェ「Tartinery」。男は最初、スタッフから店を出ていくよう命じられた際、「俺は出てゆく。白人の男にやっつけられたくない」と答えた。しかし、別のスタッフに、注文をするから着席させて欲しいと頼み「俺は黒人と座りたくない。クラッカー(貧しい白人)と座りたい」などと呟いたという。

男は水を出された後、白人の家族が座っていた席に近づき、ポケットから取り出した刃物で少女の背中を刺した。一家が逃げようとする間、男はもう1人の少女の足を刺した。被害者は14歳と16歳で、両親とともにパラグアイから旅行で訪れていた。

2人は病院に搬送され、1人は「肺が虚脱し」集中治療室に手当てを受けた。2人とも命に別状はない。

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逮捕されたのはブロンクス在住のスティーブン・ハッチャーソン(Steven Hutcherson)、別名エステバン・エソノ・アスウ(Esteban Esono-Asue)容疑者(36)。

家庭内暴力など、過去20年で少なくとも17回の逮捕歴があり、メンタルヘルスの問題を抱えていたという。今月5日には、ブロンクスのアパートの前で「手に追えない振る舞い」をしたとして警官に逮捕され、精神鑑定を受けていた。10月2日にはマンハッタンの高級デパート「バーグドルフ・グッドマン」のディスプレイを破壊し逮捕された。損害額は8万1,000ドルだという。

別の事件では、軽犯罪にあたる第3級の暴行で有罪を認めていた。通常1年間の禁錮刑が命じられるが、ブロンクス地方検事局の報道官は「(裁判官が)検察側の反対を押し切り、条件付き釈放の判決を下した」と語っている。