ハリウッド俳優 ロシアのプロパガンダを拡散!?捕虜収容施設「謎の爆発」現場を視察

プーチン大統領と親交が深く、「沈黙シリーズ」でお馴染みの米ハリウッド俳優、スティーブン・セガールが、ウクライナ東部ドネツク州にある捕虜収容施設の爆発跡を視察に訪れる様子が伝えられた。

セガールが訪れたのは、親ロシア派武装勢力が実効支配するオレニフカにある施設で、ワシントンポスト紙によると、5月にマリウポリのアゾフタリ製鉄所で降伏した兵士を含む数百人のウクライナ兵が収容されている。

「謎の爆発」が起きたのは29日で、ロシア側の発表では少なくとも50人が死亡した。

両国が互いの責任としており、ロシア国防省は、ウクライナ軍が、捕虜の口封じのために米国が供与した高機動ロケットシステム「ハイマース(HIMARS)」を使って爆撃したと主張している。

セガールの訪問の様子は、ロシア国営テレビTVZVEZDAが動画とともに公開した。

軍事専門サイトのミリタリータイムズによると、セガールはこの動画で、ロシア外務省の対米人道特使の代表と名乗り、ロシア側の主張を展開した。

損害を受けた建物内に立ち入ったセガールは「間違いなくロケットのようだ」と主張。「焼け跡やその他の詳細を見てみると、これはもちろん爆弾によるものではない。ロシアがハイマースにより多大な影響を受けていることは言うまでもない事実だが、ここはハイマースによって攻撃され、50人が死亡、70人が負傷した場所だ」と語った。さらに「興味深いのは、殺害されたナチスの一人は、ゼレンスキーについて多くを話し始めたばかりだった」と、陰謀めいた説を追加し、ゼレンスキー大統領は「ジュネーブ条約に違反したばかりか、人道に対する罪を犯している」と非難した。

ちなみにセガールの背景に映る瓦礫の様子は、ロイター通信が撮影した爆発後の様子と一致している。

TVZVEZDAは、セガールの視察にはフランス、イタリア、セルビア、ニカラグア、北朝鮮のメディアの代表も同行し、「爆撃がウクライナの過激派とハイマースによって実行された証拠を知り、野蛮な砲撃による破壊を目の当たりにした」と伝えているという。

一方、ワシントンポスト紙は、ドネツク人民共和国の当局は独立捜査機関による立ち入りを禁じていると報じている。

ポスト紙はまた、6日に掲載した記事で、破壊された建物の画像を分析した複数の専門家による見解として、被害はハイマースによる攻撃と矛盾していると指摘。専門家らは理由に、「爆弾の残骸を示すものやクレーター」がないが、その代わりに「一般的なハイマースの弾頭による損傷とは一致しない、激しい火災の痕跡」がある点を挙げていると伝えている。

セガールとプーチン大統領の親交

セガールは、格闘技を通じてプーチンとの親交を深め、2016年に、ロシアとセルビアの市民権を与えられている。2018年には、文化、芸術などを通して、人道分野におけるロシアとアメリカの関係を発展させる役目として、ロシアの対米人道特使に任命された。2021年、プーチン寄りの政党「公正ロシア・真実のために(公正ロシア)」に加入したと報じられている。

ロシアの市民権を得た際、プーチン大統領から直接パスポートを渡されたと伝えられている。この後、ウクライナはセガールを「社会的に危険な行為をしている」として、入国禁止対象に指定した。

過去にプーチン大統領を「世界最高の指導者」と称えていたほか、クリミア半島にある都市セバストポリで開催されたバイカーショーで、親ロシア派の分離主義者らを前にコンサートを行ったこともあるという。

ちなみにロシアの侵攻開始からまもなく、セガールがロシア軍特殊部隊に参加していると主張するフェイクニュースが流布されたことがあった。