NYイーストヴィレッジ「セントマークスコミックス」2月末閉店へ

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ポップカルチャーの聖地、ニューヨーク・イーストヴィレジの「セントマークス・コミックス」(St. Mark’s Comics)が、2月末で閉店すると発表した。

1986年5月創業の同店は、漫画やフィギュア、トレーディングカードなどを販売し、コミック愛好者に長年親しまれてきた。

セントマークスコミックス
©mashup NY

店主のミッチ・カトラー(Mitch Cutler)氏は、閉店を告知したfacebookで「ニューヨークで小売店を経営するには多くの妨げがある。即座に戦うには多すぎる。36年間奮闘してきたが、十分ではなかった。」と閉店理由を述べた。
EV Grieveのインタビューで、カトラー氏は、テナント料の高騰や購買慣習の変化により、閉店を決意したと述べている。
「36年間、1週間に90時間働いてきた。色々な意味で、もう戦うための気力が残っていない。」と語っている。

セントマークスコミックス
©mashup NY

facebookのメッセージで、カトラー氏は顧客やスタッフに感謝の意を述べた。
“永久にお客様に感謝します。これほど長い間、私たちが情熱を追い求めることを可能にしてくれた。家族や友人たち、みなさんの忍耐や寛大さなしに、36年間もの間、小売店の経営に必要な全てを成すことはできませんでした。
最も特別なのは、才能があり、熱心に働いてくれたスタッフのみんな。ベストな店になるよう、時間や専門知識、アイデア、愛情を注いでくれ、多くの人は今や家族のような存在です。
さよならを言い、良き思い出を分かち合うため、近々お会いしましょう。今月をお葬式ではなく、(思い出を楽しく語り合うための)通夜の場にしましょう。”

この投稿には、「古きニューヨークは、一つ一つなくなっていく。寂しい」「ビレッジをビレッジたらしめた最後の店の一つ。」など別れを惜しむメッセージが多数投稿されている。
この店で初めてサインを行い、プロになったと感じたという作家や、10年間コミックストアで働き、自分の家のようだと語るスタッフ、開店当日店に行ったという人のコメントも見られる。

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Gothamistによると、2015年イーストヴィレッジから店舗を移転したアパレル店「Trash & Vaudeville」の店主レイ・グッドマン(Ray Goodman)氏は、移転の理由を家賃の高騰だと述べた。また、顧客層も変化しており、「ショッピング街というよりは、ファーストフードとマリファナ用のキセルを販売するエリアになった。」と述べている。