「彼女の価値限られてる」インド人留学生死亡事故で警官が問題発言、警察組合は擁護

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シアトルの警察組合は15日、インド人女性がパトカーにはねられ死亡した後、警官がジョークにしたとされる動画は「すべてを説明できていない」と擁護するを発表した。

今年1月23日の午後8時過ぎ、インドからの交換留学生でノースイースタン大学で学んでいたジャアナビ・カンドゥーラさんは、横断歩道を横断中に高速で走行してきた警察車両にはねられた。病院に搬送された後、死亡が確認された。

カンドゥーラさんをはねたのは勤続4年の警官、ケヴィン・デイブ氏。警察の調査報告書によると、当時オーバードーズの通報の対応にあたっていた。衝突時の時速は101kmで、カンドゥーラさんは42メートル先まで弾き飛ばされた。

問題の動画は、今週月曜日にシアトル警察が公表した。事故から約11時間後、警察組合の副代表のダニエル・オードラー氏が電話で状況について話しあう声が、本人のボディ・カメラによって収録されている。

オードラー氏はその中で「犯罪捜査は行われていないようだ」「つまり、50になるだろう(おそらく速度について)。制御不能ではないし、訓練されたドライバーにとっては無謀ではない」「そうだ。ライトとサイレンだ」「彼女が40フィート(12メートル)も投げ飛ばされたとは思えない」などと説明。

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その後、「彼女は死んでいる」と話しながら大声で笑い「いや、一般人だ」と語った。さらに「そうだ。小切手を書くんだ」と言うと再び笑い出し、「11,000ドルだ。いずれにせよ彼女は26歳で、限られた価値しかない」と話した。

通話の相手は、組合トップのマイク・ソラン氏だった。

組合は15日の声明で「メディアにシェアされた警官の行動のビデオは、すべてのストーリーと文脈を説明できていない」と主張。「ビデオは一面の会話しかとらえていない。まだ公表されていない詳細で微妙な点がある」とした上で、民間主導の警察責任局が「徹底かつ公平な捜査が行うことに全幅の信頼を置いている」とした。さらに、オードラー氏はビデオ公開の4週間前に、自ら違反行為を迅速に裁く懲戒プロセスの検討を求めたと加えた。

組合が公表した内容によると、オードラー氏は先月8日に警察責任局に提出した陳述で、電話は誤って録音されたとしつつ、発言は市の弁護士が責任を最小化するためにするであろう主張をばかにしたものだと釈明した。「この事件の交渉を任された弁護士が言うであろうことを真似て、支払いを最小限に抑えるために馬鹿げた主張を考え出すべきではないと皮肉を表現した」と説明。「こうした事件がどのように訴訟されるかというばかばかしさ、悲劇をめぐって2者が取引し、このような事件の展開を自分がいかに見てきたか、そのバカバカしさに笑った」と理由を述べた。

シアトルタイムズによると、カンドゥーラさんは12月に情報システムの修士号を取得する予定だった。ノースイースタン大学のケネス・ヘンダーソン学長は、キャンパスのインド人学生コミュニティが悲劇に衝撃を受けていることを認識していると述べ、「われわれは君達とともにあり、捜査によって正義と責任がもたらさられることを期待している」と語った。