「弾劾訴追の核心だ」ボルトン暴露本で民主党の召喚要求に勢い

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「驚くべきことだ。大統領に対する訴追の核心をついている。ボルトン氏は、大統領が最初の弾劾条項で訴追された違反を犯したことを本質的に認めている。」

27日、近く出版予定のジョン・ボルトン(John Bolton)元大統領補佐官の回想録の内容を巡るニューヨーク・タイムズの報道に関し、民主党のチャック・シューマー(Chuck Schumer)上院院内総務は驚きを述べ、「権力乱用」を認めているものだと語った。

ニューヨーク・タイムズは26日、ボルトン氏が著書の中で、9月の退任までの数カ月間、ウクライナ外交の展開について詳述しているとし、この中で、トランプ氏から、ウクライナ政府がバイデン親子に対する捜査に協力するまで、3億9,100万ドルの軍事支援の凍結を継続する意向を聞いたと記していると報じた。

ボルトン氏は12月30日、記載内容の審査のためにホワイトハウスに原稿を提出していた。

シューマー議員はさらに「彼は証言をするつもりだ。上院の共和党議員が、この証人を召喚し、資料を要求する投票をしないなんてことがあろうか。」と、ボルトン氏召喚が不可欠との主張をアピールした。

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現在、弾劾裁判では弁護側の陳述が行われている。陳述は火曜日で終了し、16時間の質疑を経て、金曜日には、追加証人の召喚と新証拠提出の承認を巡って採決が行われると見られている。

弾劾裁判 ボルトン氏召喚の可能性は?

トランプ大統領は報道の数時間後、ツイッターで「ジョン・ボルトンにウクライナ支援がバイデンを含む民主党への捜査の条件だと話したことは一度もない。」と真っ向から否定。「これをジョン・ボルトンが言ったなら、本を売るためだけだろう」と主張した

ホワイトハウスはこれまで、ウクライナへの軍事支援の保留と調査要求の関連を否定している。

一方、民主党の弾劾マネージャーは声明で「上院議員はボルトン氏を証人として召喚し、ノートと関連文書の提出を求めるべきだ。」とこれまでの主張を繰り返し、「上院の裁判は充分に真実を追求せねばならず、ボルトン氏は不可欠な情報を有している」と発表した。

ボルトン本の報道後、証人召喚の必要性をめぐる共和党議員の動向に注目が集まっている。

ミット・ロムニー(Mitt Romney)上院議員(共和党 ユタ州)は27日、「ジョン・ボルトンが関連証言を持っているといっても差し支えないだろう。」と述べ、「ジョン・ボルトンから聞きたいと思う我々のような議員に他の共和党議員が加わる可能性が高まっていると思う」と見解を語った。

ボルトン氏を召喚するには、最低で4人の共和党議員の支持が必要となる。

スーザン・コリンズ(Suzanne Collins)上院議員(共和党 メイン州)はツイッターで声明を発表。「ジョン・ボルトン氏の本に関するレポートは、証人の案件を強化するもので、同僚の間で多くの話し合いへと発展している」と述べ、ボルトン氏召喚の支持が高まる可能性を示唆した。

上記2人に加え、共和党ではリサ・マコウスキー(Lisa Murkowski)上院議員が証人召喚にオープンな姿勢を示している。

ボルトン氏の新刊本のタイトルは「The Room Where It Happened: A White House Memoir」。3月17日発売予定。