SNSでロシアのプーチン大統領を批判していたモデルの女性が、スーツケースの中から遺体となって発見された。英紙ミラーが報じた。
殺害されたのは、グレタ・ヴェドラー（Gretta Vedler）さん（23）。一年以上前に行方不明となっていた。失踪する前、SNSでプーチン氏を「サイコパス」と批判。「ロシアの威厳を拡大」する試みは、成功しないなどと投稿していた。
容疑者は、元交際相手のドミトリ・コローヴィン（Dmitory Korovin）。捜査当局に、金銭を巡る口論の末、首を絞めて殺害したと自供しているという。
同紙は、ヴェドラーさんの政治的見解や体制批判と、事件の間に関係性はないと説明している。
犯行があったのは昨年2月。コローヴィン容疑者は捜査官に対して、絞殺した遺体を新しく購入したスーツケースに入れ、ホテルに3日間滞在したと説明。その後、モスクワから480kmほど離れたリペツク州まで運転し、遺体の入ったスーツケースをトランクに入れて放置した話したという。
殺害後、友人らに失踪を悟られないよう、ヴェドラーさんのSNSに、本人の写真を投稿し続けたと供述しているという。
ウクライナのハリコフ在住の友人が不審に思い、友人に捜索願い出すよう依頼したことが、捜査開始のきっかけになったという。
ヴェドラーさんは昨年1月の投稿で、プーチン大統領の抗議活動の取り締まりや、大ロシア主義的な願望に懸念を示していた。
ミラーによると、ヴェドラーさんは一連の投稿で「私の意見では、彼は精神病質、または反社会性パーソナリティを抱えている」と述べ、「サイコパスにとっては、満足感や刺激が常に重要だから、彼らは危険や激しい体験、コミュニケーション、活動を好む。激しくてダイナミックな人生を」と主張。「良かれと思ってロシアの威厳の拡大を望んでいるのかもしれない」としつつ、「本当にできるかしら」「みんなが答えを知っていると思うわ」と疑問を呈していた。