ビジネスジェット機墜落事故、ロシア人富豪夫婦が死亡の可能性

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20日、乗客乗員6人を乗せた小型ビジネスジェット機が、ロシアのモスクワに向かう途中、アフガニスタン北部のバダフシャン州で消息を絶った。ロシア航空当局は翌日、機体が墜落したものと明らかにし、6人のうち4人が生存していると発表した。2人については「行方不明」だとしている。

モスクワタイムズによると、墜落したのは、仏ダッソー社の「ダッソー ファルコン 10」機で、1978年に製造された機体だった。タイのリゾート地パタヤを離陸した後、インドを経由してモスクワに向かっていた。

ロシアの国営通信社RIAノーボスチは、乗客2名はロシア人で、1人は重病人、もう1人は飛行機を手配した夫だと伝えている。

英紙デイリーメールによると、異常が発生したのは、午後7時過ぎ。アフガニスタン上空を飛行中、パイロットから管制官にエンジンおよび燃料に問題が発生したと報告があった。パイロットはこの時、タジキスタンの空港に緊急着陸を要請していたという。

午後7時19分に、エンジン一基が停止。10分後に、もう片方が停止した。その直後、タジキスタンのクリャーブ空港から88キロ離れた地点でレーダーから消えた。

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ロシアの国営メディアが放送した事故現場の映像には、雪山から黒煙が上がる様子が撮影されていたという。

搭乗者には、ロシア人の起業家アナトリー・エヴィシコフ氏(65)と妻のアナ・エヴィシュコヴァ氏(64)がいた。夫妻はホリデーシーズンをパタヤで過ごしていたが、妻が感染症にかかり、呼吸器の装着が必要となったため、医療搬送用のジェット機をチャーターし、帰国する途中だった。

アナトリー氏は、ロストフ地方の「経済の構築に懸命に取り組んだ」として、プーチン派の知事から勲章を授与されていた。

夫妻には41歳の息子ビタリ氏がいたが、付き添いが1名に限定されていたため、墜落機には搭乗していなかった。ビタリ氏は航空機の定期便でモスクワに帰国後、両親が事故に遭ったことを知ったという。

このほかには、ジェット機を所有する会社のトップ、エカテリーナ・アガポヴァ氏の夫アルカディ・グラチョフ氏のほか、救急隊員2名が搭乗していた。