NYクライスラービル1億5000万ドルで売却へ

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米国の投資家アビー・ローゼン氏の不動産会社RFRホールディングスと、オーストリア最大の民間不動産会社シグナ(Signa)ホールディングスが、ニューヨークのクライスラービルを取得することが分かった。8日、The Real Dealなど各メディアが報じた。
既に契約を締結しており、売却額は1億5000万ドル(約170億円)になるという。

クライスラービルディングは、2008年にアラブ首長国連邦の政府系ファンド、アブダビ投資庁(Abu Dhabi Investment Council、ADIC)を90%が保有し、残りを不動産会社ティッシュマン・スパイヤー(Tishman Speyer)が保有している。2社に売却されたのは、リーマンショック直前で、当時の取得額は8億ドルとも言われている。
今年の1月、売りに出されたことが報じられた。

NYポストによると、契約にはクーパー・ユニオン(Cooper Union)が所有する土地は含まれず、借地権および隣のトライロンズ(Trylons)を取得した。
今後、土地代としてクーパー・ユニオンに年間3250万ドルを支払い、その金額は2028年には4100万ドルまで上昇する予定だ。ビルの空室率は20%で、新たなテナントを入れるために、多額の投資が必要になるとみられている。

現在クライスラーには、クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシーや、モーゼス&シンガー法律事務所、シェアオフィスのSpacesなどが入居している。テナント料は、1平方フィート当たり50ドルから60ドル。

77階立てのアールデコ様式の高層ビルは、建築家のウィリアム・ヴァン・アレン(William Van Alen)氏が設計し、1930年に完成した。
ビルは、1953年まで自動車メーカーのクライスラー本社として使用されており、建物の名前は、当時のオーナー兼役員を務めるウォルター・クライスラー氏に由来する。

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