接客態度や機内食のメニューに激怒、乗務員突き飛ばした男 有罪認める

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飛行中の機内で、客室乗務員の接客態度や機内食のメニューを巡り、乗務員を突き飛ばすなどした乗客の男が、暴行容疑で逮捕・起訴された。

事件が起きたのは3月8日、カリブ海のバルバドスからマイアミ国際空港に向かうアメリカン航空の機内。

裁判所に提出された資料によると、男は離陸後約2時間たった頃、席から立ち上がり、客室乗務員の対応や機内食に対する不満を口にし始めた。「乗務員が自分に無礼をはたらいた」だけでなく、ファーストクラスで機内食にベジタリアン向けの食事しか選択肢がなかったことに立腹。「大声かつ攻撃的に」機長を連れてくるよう要求した。男はこの時、2杯の飲み物を口にしていたという。

客室乗務員から座席に戻るよう命じられたが、拒否。乗務員の肩に「二度触れた」ほか、別の乗務員に近づき、コックピットのドアに押し付けたりしたという。

周囲の乗客が、男に着席を促し、最終的には、乗客の1人が男を抱えて席に座らせた。男はその後も乗務員への不満を示し続けた。

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機長は飛行中、管制塔に「男が操縦席に押し入ろうとした」と騒動を報告。旅客機がマイアミ国際空港に到着した後、男は拘束された。

逮捕・起訴された男の名は、ロバート・デヴィッド・クロワザ。クロワザ被告はこの日、息子に会うために、マイアミを訪れたという。

代理人はデイリービーストに対し、被告は乗務員の「肩をつついただけ」と説明。機内での騒動は「議論」であり、「不本意な身体的接触だったが、攻撃的ではなかった」と主張した。検察は、被告の行動を「より過激に見せている」などと反論した。

クロワザ被告は10日、軽罪の暴行で有罪を認めた。客室乗務員の職務を妨害した重罪については、取り下げられたという。

旅客機でのトラブルはパンデミック以降、増加傾向にある。昨年米連邦航空局に報告された「手に負えない乗客」に関する報告は、2,455件だった。そのうちの831件について、捜査が進行している。乗客の不品行に科された罰金の合計金額は、840万ドル(約11億円)を超えるという。