NY市、犯罪が前年比17%増加。警察委員長らは新保釈制度を非難

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ニューヨーク市警察は4日、1月の犯罪統計を発表した。全体の犯罪数は前年同時期に比べ1,222件(+16.9%)増加し、8,437件となったことが分かった。

性的暴行(-28%)及び殺人事件(-20.7%)は減少したが、銃撃(+27%)や強盗事件(+35%)、押し込み強盗(+18%)、自動車盗難(+70%)、暴行(+8.5%)などの犯罪は増加した。
急増したのは自動車盗難と強盗で、617台が盗難被害に合い、1,355人が強盗被害に合った。

ダーモット・シエイ(Dermot Shea)警察委員長は、今年1月から施行されたニューヨーク州の新保釈制度が、増加の一要因となった可能性があると見方を示した。1月1日以降、極めて多くの人がライカーズ島から解放され、保釈中に再逮捕される例を数多く目にしてきたと述べた。

昨年、ニューヨーク州では刑事司法制度改革の一環として、保釈金制度の変更を含む改正法案が成立した。保釈金は、刑事司法が経済的弱者に不利に働くものとして、長く非難されていた。
新制度では、ストーカーや重罪以外の暴行、多くの薬物犯罪、さらに特定の放火や強盗を含む、ほとんどの軽犯罪と暴力行為以外の重罪について、裁判官は保釈金を設定することができなくなった。これらの罪の被告人は公判まで保釈金なしで身柄が解放される。
ニューヨーク州では、裁判官に対し、公共の安全に対する脅威があるかどうかを判断し、被告人の拘束を決定するといった裁量を与えていない。

NY1によるとニューヨーク市の警察組合、警察慈善協会(PBA)のパトリック・リンチ(Patrick Lynch)会長は、声明で「公衆安全の危機であることは明白。」と述べ「銃撃および強盗、押し込み強盗、窃盗が2桁増となったのは、一つの法律や政策によるものではない。破綻したリーダーシップと、警察官の仕事を軽んじ、過小評価する政治的カルチャーの結果だ。」と非難した。

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一方、法律扶助協会で刑事事件を担当するティナ・ルオンゴ(Tina Luongo)弁護士は声明で「1カ月間のデータでは犯罪の傾向に関して、意味のあることは言えない。シエイ警察委員長と保釈制度反対派による無責任な誤情報。」と反論した。