フードデリバリーGrubhub レストランに不当請求の疑い。NY市が公聴会実施へ

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ニューヨーク市議会スモールビジネス委員会は、近年利用が拡大するフードデリバリー企業の商慣習に関する公聴会を6月27日に開催する。

公聴会は、グラブハブ(Grubhub)によるレストランへの不当請求を掲載したニューヨークポスト紙の記事に端を発したもので、委員会は、市内のレストラン関係者の証言を聞くとともに、グラブハブに出席を求める可能性がある。

グラブハブはオンラインフードデリバリーの最大手。米国の2,200都市とロンドンにある11万5000件以上のレストランと契約しており、顧客はモバイルアプリを通じてテイクアウトメニューやデリバリーの注文をすることができる。

同紙は先月、顧客がグラブハブ経由で電話をした際、注文をしていないにもかかわらず、レストラン側に日常的に5ドルから9ドルの料金が発生していることを報じた。

ブルックリンのイタリア料理店「Enoteca」は昨年11月、パスタがグルテンフリーかどうか、顧客から電話による問い合わせを受けた。注文にいたらなかったが、同レストランは9.07ドルを請求されたという。マンハッタンにある地中海レストランは、開店状況の問い合わせを受けただけで、料金が発生した。またあるレストランは、NYポストに対し、メニューの問い合わせだけで年間2,000ドルを支払ったと述べている。

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グラブハブは、オーダーの発生につながった場合にのみ請求する方針をレンストランに伝えているという。

同様の疑惑を巡り、フィラデルフィアのTiffin Indian CuisineのオーナーのMunish Narulaさんは昨年12月、連邦地方裁判所にグラブハブを訴えた。Narulaさんは、架空のオーダーに対する請求は少なくとも7年間に続いたと主張。さらに、これらの料金はグラブハブに加盟する11万5,000件のレストランに発生しているとしている。

NYポストによると、グラブハブは契約レストランに対し、新たな電話番号をセットし、同社のサイトまたはアプリにこれらの番号を表示するという。電話はレストランに自動で転送されるため、ユーザーは実際の電話番号でないことに気づくことはない。

グラブハブの共同創設者のマイク・エバンス氏(Mike Evans)は、電話で注文が行われたかどうかは統計モデルに基づいて決定されると述べているという。しかし、Narulaさんは統計モデルはただのタイマーで、45秒以上の通話に請求をしていると主張している。

訴えに対しグラブハブは、「レストランは専用ポータルを通じて通話録音をレビューおよび審査を行うことが可能で、簡単に不服を申したてることができる」と述べているが、Narulaさんは昨年の3月時点で、記録の提供を拒否されたといい、8月になってようやく入手可能になったとしている。

スモールビジネス委員会のMark Gjonaj委員長はNYポスト紙に対し、「我々は、これらのパパママショップなど、中小企業が経営を継続できる方法を考えようとしている」と委員会の立場を示し、「グラブハブのようなものが入り込んで、ビジネスを損ない、ビジネスの継続に影響を与えることは誰も期待していない」と語った。さらに「乱用やごまかしが発覚した場合、法務当局にもちこむこともありうる」と述べつつ、州司法長官や市監査官、市政監督官による調査対象になる可能性を示した。