スマホの位置情報の販売禁止 NY市で法案提出

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NY市のジャスティン・ブラナン市議会議員は23日、携帯電話事業者やアプリ開発者が、市内で収集したユーザーの位置情報を第三者に共有することを禁じる法案を提出した。違反一回につき1,000ドル、1日に複数回の違反があった場合は、一人のデータにつき1万ドルの罰金を科す。

提出にあたり、ブラナン議員は「ワシントンがこの個人情報の危険な侵害を禁じないのならば、NYCが先陣を切って、このプロセスから人々を守る。私の法案は、携帯電話会社とモバイルアプリが人々の明確な許諾なしに、ロケーションをシェアすることを違法とするものだ」と語った。

ブラナン議員が指摘するように、現在、ユーザーの位置情報を保護する連邦法はない。

サンフランシスコでは昨年、企業に対して、個人データの利用慣行に関する開示を義務付ける条例が承認されたが、位置情報の販売を禁止するのは、ニューヨーク市の法案が初めてだと考えられる。

携帯キャリアやアプリが収集したユーザーの位置情報は、データブローカーなどを通じて、デジタルマーケティング企業や、緊急路上サービス、小売広告企業、ヘッジファンドなどに販売されている。ユーザーが知らずに利用されているケースも多いという。

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MOTHERBOARDの調査では、保釈金立替業者や、保釈中に逃亡した者を探し出すバウンティ・ハンターがデータを購入し、不正に利用していたケースが明らかになった。

またロサンゼルス市は1月、数百万人のユーザーの位置データを不正に収集したとして、ウェザー・チャンネルアプリを訴えた。訴状によると、アプリは、位置情報を天気予報のローカライズのために利用すると告げ、ユーザーにロケーションデータをオンにさせていたにも関わらず、ターゲットマーケティングやヘッジファンドの分析などの商業目的で利用されたとしている。