ハマス・イスラエル戦争で民主党分裂、「ヒップホップ議員」NY選挙集会で過激パフォーマンス

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25日に投開票が行われるニューヨーク州第16選挙区の民主党予備選は、ハマス・イスラエル戦争をめぐる民主党の分裂を示す争いとして、全国の注目を浴びている。

ブロンクス北部からウェストチェスター郡南部にまたがる同選挙区は、国勢調査のデータでは住民の半数は黒人とラテン系、1割はユダヤ系とされている。

22日、3期目を目指すジャマール・ボウマン(Jamaal Bowman)下院議員はブロンクスで選挙集会を開き、プログレッシブ派の重鎮バーニー・サンダース上院議員とアレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員らが応援に駆けつけた。

ボウマン氏はこの日、「俺はヒップホップ下院議員」だと会場を盛り上げ、Fワードを交えながら「AIPAC(米国イスラエル公共問題委員会)にサウスブロンクスのパワーを見せつけてやる!」「お前らは俺を追いかけ、家族や子供たちを追っている。われわれは反撃はできないのか?」と呼びかけた。

このパフォーマンスをめぐって、隣接する第15選挙区選出のリッチー・トーレス下院議員からは、「口汚さのレベルにショックを受けた」と苦言が飛び出した。トーレス氏はXで演説の動画をシェアし、「常軌を逸したもの」で、「私の知るサウスブロンクスの人々の礼節とはかけ離れたもの」と批判した。

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ブロンクスで公立学校の校長を務めたボウマン氏は2020年、司法制度改革やグリーン・ニューディール、国民皆保険制度の導入を訴え当選を果たした後、オカシオ・コルテス氏らが率いる党内左派のグループ「スクワッド」に加わった。

昨年11月、イスラム組織ハマスとイスラエルの紛争をめぐって、ハマスの残虐行為やレイプをイスラエルによるプロパガンダであると示唆し、物議を醸した。ニューヨークで親パレスチナ派の集会を開き、停戦を求めるボウマン氏に対し、地元のユダヤ人指導者らは「ハマスのテロ政権に対する宥和政策」と反発。「議会や民主党でイスラエルに対する支持を損なう取り組みを主導した」として、ウェストチェスター郡のジョージ・ラティマー(George Latimer)郡長に対抗馬になるよう求めた

なお、AIPACは政治活動特別委員会を通じ、ラティマー氏に1,500万ドル近い選挙資金を提供しており、「下院予備選挙史上最大の広告費」を投じているとも伝えられている。ウェストチェスターを拠点とするヒラリー・クリントン元国務長官もラティマー氏の支持に回った。同氏は現在、17ポイント差でボウマン氏をリードしている。

サンダース氏はこの日のボウマン氏の集会で、第16選挙区の予備選は「アメリカの近代史で最も重要な選挙の一つ」であり、「ジャマール対ラティマーの戦いではない」と主張。「ビリオネア階級とオリガルヒがアメリカ政府を支配するかどうかだ。われわれの見解はノーだ。そうはならない」と支持を呼びかけた